今後の研究の推進方策 |
上記で作成し得たECM1遺伝子欠損マウスの皮膚へ、異なる数種の皮膚癌細胞株(有棘細胞癌株: HSCシリーズ, A431, DJM-1/黒色腫細胞株: HMU-1, A375, DEOC-1)を個別に接種する。 癌細胞の皮膚接種部位への生着度、局所での浸潤能や転移能に寄与する上皮-間葉転換EMTや間葉-アメーバ転換MATの運動機能転換レベルの違い(Rac、RhoA/ROCKシグナルの活性化などを含む)、さらには生存率などの変化を評価する 。
これらをもとに、ECM1分子に依存的な皮膚癌の挙動に関わる周辺微小間質の構成変化を検討していく。具体的には、上述したECM1欠損担癌マウスの皮膚と転移組織における間質エフェクター細胞(NK細胞、細胞障害性T細胞、腫瘍随伴マクロファージ、癌関連線維芽細胞など)の数的な変化、組織内の分布を検討する。Laser microdissection法で切り出した癌微小環境ユニットの蛋白変化を網羅的にプロテオーム解析し、癌の生着や転移イベントに感受性の高い間質分子を同定することを予定している。
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