我々は、皮膚炎症性疾患である尋常性乾癬のマウスモデルを用いて、温度感受性チャネルであるTRPV4の病態における役割と制御機構について検討した。我々は、尋常性乾癬患者の病変部皮膚でTRPV4の発現が亢進することを明らかにした。TRPV4遺伝子欠損マウスでは、野生型マウスと比較して乾癬様皮疹が改善することを見出した。また、病変部における炎症細胞浸潤や炎症性サイトカイン、ATP産生なとが低下することも明らかにし、乾癬様皮疹の病態におけるTRPV4の役割を解明した。TRPV4アンタゴニストの投与によって皮疹が改善することも見出し、今後の治療法の開発が期待できる。
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