研究課題
D-dopachrome tautomerase(D-DT/MIF-2)は、炎症性サイトカインの1つであるMacrophage migration inhibitory factor(MIF)の機能的相同体とされる。これまでの研究でD-DTはMIFと類似した機能を持つと推察されてきたが、その詳細は未だ明らかではない。MIFはアレルギー性疾患や炎症性疾患などに対して広く適応できる新規治療ターゲットと期待されており、機能的相同体であるD-DTも同様に重要な因子と推測される。D-DTは気管支や腸管上皮、表皮角化細胞などにも発現し、光発癌にも関連していることを明らかにした(FASEB J 2021) 。MIFとの相同性から考えるにアレルギー性疾患、炎症や免疫応答への関与が想像できる。本研究では、アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬、全身性強皮症といった疾患発症メカニズムに対するD-DTの機能解析をD-DT 過剰発現(Tg)マウスを使って行っている。
2: おおむね順調に進展している
研究は当初の計画通りに進んでいる。
炎症性皮膚疾患マウスモデルにD-DT Tgマウスを適用しこれらの皮膚疾患の病態におけるD-DTの関与を解析する。加えて,培養表皮細胞、線維芽細胞を用いたD-DTとCD74の炎症抑制に対する機序を解析する実験も行う。
物品の納入が年度を跨ぐため次年度購入とした、当初の使用計画に変更はない。
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