研究課題
遺伝子改変iPS細胞由来マクロファージ(iPS-MP)によって腫瘍微小環境を抗腫瘍状態にし、免疫チェックポイント阻害薬無効なメラノーマを治療することが本研究の目的であるため、まずは免疫チェックポイント阻害薬が無効であるメラノーマの腹膜播種モデルの確立から研究を開始した。マウスメラノーマに対しては、抗PD-L1抗体がマウスメラノーマにある程度有効であることが、これまでの既報から知られている。その容量、投与タイミングを参考にしつつ、我々のルシフェラーぜを用いたin vivoイメージング技術を用いた腹膜播種モデルでの最適化を行った。結果として、抗PD-L1抗体がIsotype抗体に対して有効ではあるが、完全には腫瘍を拒絶できない、まさに臨床の状況を模倣するマウスモデルを確立した。ここに遺伝子改変iPS-MPを併用し、マウスメラノーマを完全に治癒させることを目指し、現在も実験を重ねている。いまのところ、プレリミナリーな結果ではあるが、IFN-β遺伝子を導入したiPS-MPで有望なデータを得ている。今後さらに実験を重ね、確実なデータとする予定である。また、まずはC57BL7(B6)バックグラウンドのマウスにB6マウス由来のメラノーマ、そしてB6マウスから樹立したiPS-MPを用いた実験をおこなっているが、今後はセミアロジェニックな環境での治療も計画している。すなわち、治療するiPS細胞をMHCをほぼ共有しているが、class-IIの一部が異なるiPS細胞(129)からiPS-MPを作成し、より臨床に即した状況で実験を行なっていく予定である。また、このとき効果発現のメカニズムについて、解析を行なっていく。
2: おおむね順調に進展している
もっとも重要なin vivoの実験系は確立することができ、またまだプレリミナリーながら、免疫チェックポイント阻害薬と遺伝子改変iPS-MPの併用効果も確認することができている。これは一番困難な到達地点をクリアしていることになる。あとは、実験を重ね結果を確実なものにし、メカニズムを解析する方針である。以上より、研究は順調に進展しているといえる。
in vivoの実験を重ね、実験結果を確実なものとする。また、なぜ併用療法が有効なのか、とくにマウス腫瘍を摘出し、免疫染色、フローサイトメトリー、real time PCR、ウエスタンブロットなどによって、その分子機構を解明する。また、網羅的な発現分子解析も行い、今後人への応用可能なバイオマーカーのシーズ探索も行なっていく。
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