研究課題/領域番号 |
21K08356
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
福田 桂太郎 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 上級研究員 (60464848)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 尋常性白斑 / CD8+T細胞 / FASL / IFNγ / ヘモグロビンA / ケラチノサイト / 酸化ストレス |
研究成果の概要 |
本研究では、尋常性白斑において、メラノサイトの消失に関与する分子の同定を試みた。メラノサイト抗原の1つであるgp100に特異的なCD8+T細胞の様々なエフェクター分子を欠損させ、尋常性白斑モデルマウスを作製した結果、メラノサイト抗原特異的CD8+細胞では、従来言われていたIFN-γに加え、FASLがメラノサイトの消失に関わることを明らかにした。また、メラノサイト側の重要な分子を探す目的で、表皮全層と表皮上層のRNA-seq解析を行なった結果、表皮顆粒層を含む表皮上層において、ヘモグロビンαが発現し、酸化ストレスを軽減する役割があることを思いがけず見いだし、新たな皮膚バリア機構を明らかにした。
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自由記述の分野 |
皮膚バリア、メラノサイト
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
最近、尋常性白斑に対し、欧米でJAK阻害薬が認可されたが、過半数の症例は治療に奏効せず、より有効な治療法の開発のため、更なる尋常性白斑の病態機構の解明が望まれている。我々は、尋常性白斑モデルマウスの解析からIFNγに加え、CD8+T細胞に発現するFASLが治療標的となることを明らかにした。また表皮の解析を通じて、ヘモグロビンA(HBA)が、紫外線などの酸化ストレスにより表皮上層のケラチノサイトに誘導され、酸化ストレスを軽減することで皮膚バリアの一端を担うことを発見した。尋常性白斑の病態に酸化ストレスが関与されていることが知られているが、そこにHBAがどのように関与するか更なる解析が望まれる。
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