研究課題/領域番号 |
21K08359
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
船坂 陽子 日本医科大学, 医学部, 教授 (30209150)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | エキシマレーザー / エキシマライト / DNA損傷 / アポトーシス / メラノサイト |
研究実績の概要 |
1. C57BL6/Jマウスにエキシマライト及びエキシマレーザーを照射し、経時的に組織を採取し、抗CPD抗体、TRP-2抗体、beta-catenin抗体を用いた免疫組織染色を施行、またTUNEL染色を施行し、エキシマレーザーでは毛包下部にまでCPDが見られ、また活性化したメラノサイトが見られることが判明した。すなわちエキシマレーザーは毛包深部にまで到達し、その光作用によりメラノサイトをより活性化する力が強いことが判明した。一方TUNEl染色では表皮ケラチノサイトのapoptosisはエキシマライトで顕著に見られ、表皮への作用が強く、また表皮細胞に吸収されるために毛包深部に到達できない可能性が示唆された。 2. 次いで不死化ヒトケラチノサイトであるHaCaT細胞にこれら光を照射し、ELISA法にてCPD及びcaspase活性を調べたところ、エキシマレーザーではエキシマライトと比較すると、同じ照射量ではCPDの形成が少なく、またcaspase活性の上昇が低いことが判明した。すなわち照射強度が異なると同じ308nmの光でもDNA損傷やアポトーシス誘導の度合いが異なることが明らかとなった。 3. この機序を検討するために培養HaCaT細胞にこれら光を照射しmicroarrayで遺伝子発現を解析したところ、エキシマライトではエキシマレーザーよりもapoptosisに関わるTNF-alpha系の遺伝子発現がより強く誘導されることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後はさらにエキシマレーザー、エキシマライトの作用の違いに熱が関与しているのかをheat shock proteinの発現により解析し、またmicroarray,タンパクarrayにてその作用機序に関わる分子の同定を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
microarrayによる検討をさらに続け、real time PCRで確認する必要が生じたため。
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