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2022 年度 実施状況報告書

エキシマレーザーの色素細胞活性化機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K08359
研究機関日本医科大学

研究代表者

船坂 陽子  日本医科大学, 医学部, 教授 (30209150)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードエキシマレーザー / エキシマライト / DNA損傷 / 遺伝子発現
研究実績の概要

1.不死化ヒトケラチノサイトHaCaT細胞に308nmのエキシマライトおよびエキシマレーザーを照射し、DNAの損傷をCPD(cyclobutane型pyrimnidine dimer)のELISAにて定量的に評価した。結果波長が同じにもかかわらず、エキシマレーザーは50,,100,150,200mJ/cm2照射のいずれにおいてもCPDは10分の1ないし7分の1と有意にそのDNA損傷が少ない結果を得た。
2.エキシマライトおよびエキシマレーザーを照射したHaCaT細胞においてmicroarrrayにて遺伝子発現のプロフィールを調べたところ、ライトで発現上昇遺伝子数は1070、レーザーで172、両者共通の上昇遺伝子数は79、発現低下遺伝子数はライトで18946、レーザーで363、両者共通の低下遺伝子数は193個であった。
3.DEG(differentially expressed gene)に対するKEGG(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes) pathwayでは、DNA replication(DNA修復)に関わる遺伝子発現のセットがライトで低下していることが判明した。
4.これらDNA修復に関わる遺伝子群のreal time PCRにてXpa, Xpb(Ercc3), Xpc, Xpd(Ercc2), Xpe(Drb2), Xpf(Ercc4), Xpg(Ercc5)いずれもライトはレーザーに比べて遺伝子発現が有意に低下していた。
5.以上よりエキシマレーザーはエキシマライトよりも皮膚深部にまで到達するが、同じエネルギーにてもD N Aの損傷が少なく、損傷DNA修復に関わる遺伝子発現が低下しないことより、ライトよりも皮膚癌形成を起こしにくいことが推察された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通りに進んでいる。

今後の研究の推進方策

今後はさらにメラノサイトの活性化に関わる遺伝子発現のプロフィールについてreal time PCRも用いて検討する予定である。

次年度使用額が生じた理由

次年度はreal time PCRに関わる実験費用が高価になると予想されるため、これを次年度に回して使用する計画とした

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公開日: 2023-12-25  

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