研究課題/領域番号 |
21K08360
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
岩田 洋平 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (60437861)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | CD271 |
研究実績の概要 |
今回の研究の目的は、虚血・再灌流障害が原因で生じる皮膚創傷(褥瘡や膠原病におけるレイノー現象、壊疸)における内在性皮膚幹細胞(CD271陽性細胞)の動態をマウスモデル、ヒトの検体を用いて解析しより効率的で画期的な難治性皮膚潰瘍に対する幹細胞治療を目指すための基礎データを明らかにすることを目的とする。 2021年度は、CD271ノックアウトマウスをJackson Laboratoryより受精卵で購入し、当施設にて個体化した。ジェノタイピングを行い繁殖を行っている。また、2021年度は、野生型マウスを用いて、表皮・真皮の内在性幹細胞(CD271陽性細胞)の動態を解析するために、褥瘡や糖尿病によるレイノー現象に伴う皮膚潰瘍・壊疸のモデルである虚血・再灌流障害モデルを用いて、創傷治癒過程の創傷面積の推移を測定した。創傷組織にCD271陽性細胞が存在することを免疫組織染色を用いて確認し、その創傷治癒過程での動態を確認した。さらに、創傷組織に浸潤した好中球数、マクロファージ数、アポトーシス細胞(TUNEL染色陽性)を計測し、創傷組織における好中球細胞外トラップ(NET)の形成、創傷組織におけるサイトカイン、ケモカインのmRNA発現をリアルタイムRT-PCRを用いて解析した。さらにアポトーシスに関連して発現する内在性toll-like receptor(TLR)4のリガンドであるhigh mobility group box 1(HMGB1)の創傷組織での発現を免疫組織染色で評価し、さらに血清中HMGB1濃度を虚血前、再灌流4時間後、72時間後に測定し、表皮細胞と付属器細胞におけるHMGB1発現は、虚血前と比較して再灌流4時間後に減少しており、さらに血清中HMGB1濃度は、虚血前と比較して再灌流4時間後、72時間後に有意に上昇することを確認した。 これらの野生型マウスでのデータは、次年度以降に行うCD271ノックアウトマウスでのデータを解析する上での重要な基礎データとなる意義がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CD271ノックアウトマウスの個体化も順調に進行し、野生型マウスでの基礎データも概ね得られているため。
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今後の研究の推進方策 |
CD271ノックアウトマウスを用いて、虚血・再灌流モデルでの創傷治癒を解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は、CD271ノックアウトマウスの購入と個体化を行ったため、ノックアウトマウスに予定する各種実験試薬が次年度で必要となるため、次年度に繰り越しを行うこととなった。
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