研究課題/領域番号 |
21K08361
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
平林 真介 北海道大学, 大学病院, 助教 (50769635)
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研究分担者 |
真部 淳 北海道大学, 医学研究院, 教授 (20292849)
鳴海 覚志 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 分子内分泌研究部, 室長 (40365317)
三谷 絹子 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50251244)
小野澤 真弘 北海道大学, 大学病院, 講師 (70455632)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | MDS / 遺伝性素因 |
研究実績の概要 |
本研究は本邦の小児からAYA世代のMDSの先天性素因の同定と臨床データを合わせて統合解析を行い、発生機序の解明と治療戦略へ繋げる。成人MDSは加齢性変化の影響が大きいが、小児・AYAのMDSは遺伝的要因による造血幹細胞の脆弱性から、感染、炎症による造血ストレス環境、内因性アルデヒド代謝の違いなどにより、骨髄不全の進行と早期のクローン性造血に至ると考えられる。遺伝、環境とも多様な因子があり、未解明な部分が多い。小児科・血液内科・基礎研究を一元的に行い、先天性素因を把握する。令和3年度は症例集積と解析を進めていった。その中で、染色体異常der(1;7)(q10;p10)が、小児、AYA世代の主要な先天性素因であるGATA2異常症においてmonosomy 7に次ぐ特徴であることがわかった。これはドイツ、米国との国際共同研究に加わり、多数例の検討を行った結果であり、そのまま論文発表に至ることができた(Blood.2021;138(23):2441-2445.)。今後とも検討すべき課題はあり、国際共同研究を発展させるべく協力を継続していく。今年度も小児領域、成人領域をまたがる形で、小児科、血液内科との共同研究を開始し、遺伝子解析系とデータベースの構築に努める。また引き続き先天性素因を疑わせる核型異常に注目して、小児、AYA世代のMDS、AML症例を中心に造血転写因子の生殖細胞系列バリアントの解析を開始する。先行解析として20例の当該症例において解析系の構築を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和3年度においては、過去に集積した検体についての解析は共同研究者と進めることが可能であった。しかし、新型コロナウイルスの影響があり国内、海外研究者の検討や交流が進困難であり、前向きの新たな検体集積に努めていく。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度は小児からAYA世代のMDS/AMLにおいて先天性素因の同定と臨床データを合わせた統合解析のため、遺伝子解析系の構築とデータベースの作成を開始した。既存の検体を用いて、一部国際共同研究を進め成果が現れている。新型コロナウイルス感染の収束とともにさらに共同研究を推進し、前向きに検体を集積したい。小児領域、成人領域をまたがる形で、小児科、血液内科との共同研究を開始した。まず先天性素因を疑わせる特徴的な核型異常に注目している。小児・AYAと高齢者の比較により、MDSの成因が異なる可能性が示唆され、今後、小児・AYAでのMDSにおける共通の病態解明に迫れるように協力を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度は研究計画書の申請や研究活動の構築に時間を要した。既存の検体で共同研究者との解析は一部勧められたが、新型コロナウイルスの影響があり、国内、海外研究者との検討や交流が困難で、新たな検体集積が難航している。令和4年度においては、学内、学外での連携をさらに進めていく。
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