研究課題
近年、造血支持細胞には血管内皮細胞やNestin陽性細胞など多くの種類が報告されている。神経幹細胞マーカーであるNestin発現細胞やシュワン細胞は骨髄中に存在し、造血を支持していることが報告されているが、主にマウスの実験系による解析であり、ヒトでの解析・報告はほとんどなかった。本研究では、骨髄異形成症候群、再生不良性貧血、赤芽球癆、骨髄線維症など造血不全・汎血球減少をきたし、骨髄における造血異常がある疾患群において、主に骨髄生検検体を用いて造血を支持していると考えられるNestin陽性細胞、GFAP陽性細胞の解析を試みた。多くの症例の免疫染色を行った結果、造血ニッチ構成細胞の一つである骨髄中のNestin発現細胞が繊維化を伴うMDS(MDS-F)患者の骨髄において著明に増加していることを見出した。また、GFAP発現細胞も同様にMDSで増加していることを見出している(Cao Sy, et al.投稿準備中)。さらに、Nestin陽性細胞が増加しているMDS-Fではcellurarityが高い傾向が顕著であった。一方で、赤芽球癆では、稀少疾患であるために研究期間内での解析は4例のみにとどまったものの、Nestin発現細胞、GFAP発現細胞に関してはコントロール検体と大差はなかった。再生不良性貧血に関しては、一部の症例でNestin陽性細胞・GFAP陽性細胞とも増加している症例を認めたが、症例による違いが大きく、MDS-Fのような傾向は認めなかった。赤芽球島の再構築実験も行った。MDS患者由来のマクロファージを分取し、コントロール赤芽球と混合して赤芽球島の再構築実験を行ったところ、コントロールマクロファージを使用した時と比較して赤芽球島の数が少ない傾向にあった。また、1つのマクロファージに付着する赤芽球も少ない傾向にあった。ヒトサンプルであるため、今後は解析数が課題である。
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