IL-2は、T/NK細胞が発現するIL-2Rbg型に結合して抗腫瘍効果を増強する一方、主に制御性T細胞が発現するIL-2Rabg型にも結合して免疫を抑制する。本研究では、IL-2Rg (CD132) を認識する一本鎖抗体とIL-2とを連結させ、サイトカイン結合型抗体 (hyperkine) を新たに開発した。その結果、IL-2と比較すると、作製したhyperkineの1つがIL-2Rbg型受容体に同程度結合し、一方でIL-2Rabg型受容体にはより強く結合できることが明らかとなった。腫瘍免疫の増強と自己免疫の制御を目指して、現在各受容体に選択的に結合できるhyperkineの作製を進めている。
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