研究課題/領域番号 |
21K08376
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
今井 美沙 順天堂大学, 大学院医学研究科, 非常勤助教 (50709003)
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研究分担者 |
小松 則夫 順天堂大学, 医学部, 特任教授 (50186798)
荒木 真理人 順天堂大学, 大学院医学研究科, 客員教授 (80613843)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 骨髄増殖性腫瘍 / 骨髄繊維化 / calreticulin / CALR |
研究実績の概要 |
フィラデルフィア染色体陰性の骨髄増殖性腫瘍(以下MPNと略す)は、造血幹細胞レベルに体細胞変異が生じて発症する造血器の腫瘍である。MPN患者の予後は概ね良好であるが、骨髄の線維化を呈する患者では、様々な全身症状によるQOLの低下が生じるだけではなく、急性白血病を発症するリスクが高く、予後不良である。しかし、根治は、治療関連死のリスクのある造血幹細胞移植に限られていることから、根治を目指した有効な治療薬の開発が切望されている。申請者は、 CALR変異遺伝子のタイプによる腫瘍原性の違いを規定するメカニズムを明らかにするため、タイプ1とタイプ2の表現型の違いが観察可能な、in vitroおよびin vivoのアッセイ系を構築し、解析を行ってきた。2023年度は、タイプ1 とタイプ2の腫瘍原性の違いを呈する細胞株のRNA-seq解析によって、2つの細胞株で発現量に差があるとして同定された208個の遺伝子に関して、エンリッチメント解析を実施し、腫瘍原性の違いを生み出すと考えられる7個の遺伝子を抽出した。これらの遺伝子発現の違いをRT-qPCR法により確認したところ、1遺伝子の発現量に大きな違いが見出された。次に、この遺伝子の発現をRNA干渉により抑制したところ、通常の培養条件では、タイプ1型あるいはタイプ2型のCALR変異遺伝子を発現する細胞の間で、細胞増殖やサイトカイン非依存性のシグナル伝達に大きな違いは見出されなかった。今後、腫瘍原性の違いが見られる条件で評価を実施する予定である。
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