研究課題/領域番号 |
21K08381
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
岡本 晃直 藤田医科大学, 医学部, 講師 (80775049)
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研究分担者 |
真田 昌 独立行政法人国立病院機構(名古屋医療センター臨床研究センター), その他部局等, 高度診断研究部長 (20529044)
安田 貴彦 独立行政法人国立病院機構(名古屋医療センター臨床研究センター), その他部局等, 分子診断研究室長 (20723977)
加藤 省一 愛知県がんセンター(研究所), 個別化医療TR分野, 研究員 (30584669)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 不明熱 / リキッドバイオプシー / 悪性リンパ腫 / 血管内リンパ腫 |
研究実績の概要 |
臨床試験は、古典的不明熱の患者で悪性リンパ腫を疑う患者を対象とし、不明熱として受診した時の、現在の疾患の割合を確かめるとともに、これらを①病理学的な検索、cfDNAを用いた②droplet degital PCRを用いたMYD88とCD79Bの検索、③次世代シーケンサーを用いたB細胞受容体(BCR)、T細胞受容体(TCR)再構成の検索、及び④血液疾患パネルを用いた網羅的な解析をそれぞれ比較した。15施設より50例を登録、49例を解析した。 最終的な病理学的な診断としては、49例の患者のうち、28例が悪性リンパ腫で、21例が非リンパ腫であり、そのうちB細胞リンパ腫が20例、IVLBCLが17例であった。T/KN細胞リンパ腫が8例観察され、対象患者群では、T/NK細胞リンパ腫が1割前後存在することが示唆された。非リンパ腫患者においては、成人発症スチル病が4例と最も多く観察された。 Liquid biopsyとしての検索においては、droplet digital PCRによる証明ではIVLBCLにお患者は17例中16例で陽性であり、非B細胞リンパ腫の患者では全例陰性であったことから、droplet degital PCRの有効性が示唆された。 また、BCR/TCRの再構成に関しては、B細胞リンパ腫においてもTCR再構成の陽性例が一部の症例で観察され、逆にT細胞リンパ腫においてBCRの再構成が検出され、特異性に問題がある事が証明された。 血液疾患パネルは、最も正確性と特異性が高かったが、コストが高く、結果の解釈も煩雑であり、一般臨床への応用の点では、問題が指摘された。 現在上記内容に関して、論文作成中であり、また、この結果をもとに現在実用化するための新規臨床研究を計画中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り、試験は終了し解析も終了しつつあり、現在論文作成中である。また、本成果を一般臨床に応用するために、現在臨床性能試験について、追加で検討中であり、共同開発試薬メーカーとPMDAと相談を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究手法において、IVLBCLの診断においてはddPCRの使用が極めて有効であることが証明された。その結果を用いて、今後製品化について、試薬企業と開発を 進めている。 今後は、試薬メーカーによる新規のddPCR用プライマーを作成しつつ、新規の臨床試験を行い、実用化へ向けて検討予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
想定していたよりも、必要物品の購入に費用がかからなかっとことと、 予定していた国際学会への参加を中止したため。
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