研究課題/領域番号 |
21K08390
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
俵 功 三重大学, 医学系研究科, 教授 (80378380)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 造血幹細胞移植 / 移植片対宿主病 / 移植片対腫瘍効果 / ドナーリンパ球輸注 / 遺伝子改変T細胞輸注療法 |
研究実績の概要 |
本研究では、①MHC一致マウス同種骨髄移植モデル(BALB/c→CD2F1)における急性GVHDとドナー細胞の体内動態、②BALB/c→CD2F1同種骨髄移植モデルにおける抗IL-6R抗体、ステロイド剤の急性GVHDおよびドナー細胞の体内動態、免疫パラメーターへの影響、③非移植担がん・リンパ球輸注療法モデルにおける抗IL-6R抗体、ステロイド剤の腫瘍増殖および輸注リンパ球の体内動態、免疫パラメーターへの影響、④同種移植後担がん・リンパ球輸注療法モデルにおける抗IL-6R抗体、ステロイド剤の腫瘍増殖、GVHD(増悪)および輸注リンパ球の体内動態、免疫パラメーターへの影響を、検討する計画である。 まず、コンジェニックマウス(BALB/c-CD45.1、BALB/c-CD90.1)をドナーに用いた、MHC一致同種骨髄移植モデル(BALB/c→CD2F1)を作製した。具体的には、BALB/c-CD45.1のT細胞除去骨髄細胞および BALB/c-CD90.1脾臓由来T細胞を、レシピエントであるCD2F1マウス(移植前日に10Gyの全身X線照射を実施)に経静脈的に輸注し、急性移植片対宿主病(GVHD)様の症状を呈することを確認した。これらの移植マウスを用いて、移植後2週、4週、6週目にGVHDの標的臓器の一つである腸管(大腸)を採取し、酵素処理、比重遠心法により血球系細胞を採取し、フローサイトメトリー法により解析した。その結果、大腸に浸潤したドナー細胞を検出することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
MHC一致マウス同種骨髄モデルを作製し、GVHD標的臓器に浸潤した細胞を分離、ドナー細胞をフローサイトメトリー法により確認ができている。今後同様の手法により、GVHDへの介入時のドナー細胞、非移植担がん・腫瘍特異的リンパ球輸注療法モデルにおけるドナー細胞、同種移植後担がん・腫瘍特異的リンパ球輸注療法モデルにおけるドナー細胞、の追跡が可能と考えられるため
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今後の研究の推進方策 |
研究を計画に沿って以下の実験をおこなう。 ・コンジェニックマウス(BALB/c-CD45.1、BALB/c-CD90.1)を用いた同種骨髄移植モデルを作製し、抗IL-6R抗体およびステロイド剤の急性GVHDに対する効果、ドナー細胞の体内動態、サイトカインなど免疫パラメーターへの影響を検討する。 ・非移植担がん・腫瘍特異的リンパ球輸注療法モデルを作製し、抗IL-6R抗体およびステロイド剤の腫瘍増殖、輸注リンパ球の体内動態、免疫パラメーターへの影響を検討する。 ・同種移植後担がん・腫瘍特異的リンパ球輸注療法モデルを作製し、抗IL-6R抗体およびステロイド剤の腫瘍増殖、GVHD、輸注リンパ球の体内動態、免疫パラメーターへの影響を検討する。
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