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2021 年度 実施状況報告書

免疫調節薬(IMiDs)耐性を誘導するIKZF転写因子複合体の探索

研究課題

研究課題/領域番号 21K08401
研究機関自治医科大学

研究代表者

長田 直希  自治医科大学, 医学部, 助教 (60840858)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード多発性骨髄腫 / Ikaros / 免疫調節薬 / 転写制御 / エピジェネティクス / ChIP-Seq
研究実績の概要

先行研究にて得られたIkaros標的遺伝子のプロモーター領域にFOS結合配列が特異的に存在するという知見を基に、MM細胞におけるFOSの役割およびレナリドマイド耐性との関係解明について取り組んだ。(1)Ikarosに続いてFOSのChIP-シークエンス解析を行い、両者のデータおよびH3K27acをstrand-NGSを用いて比較した。その結果、それぞれのピークがIkaros標的遺伝子の転写開始点とその上流のプロモーター領域で重なっていた。この結果からFOSはIkarosと複合体を形成する、複合体構成分子である可能性が示唆された。(2)FOSがIkarosと複合体を形成しているかについて、IP-Westernを実施したところ、FOSのシグナルが検出されたことから、両者が複合体を形成していることが明らかになった。続いて、Ikarosのどの部位にFOSが結合するのかを明らかにするため、Ikarosのフラグメントを作成し、同様にIP-Westernを行った。その結果、FOSはIkaros自身のdimerizationに働く部位に結合していることが判明した。(3)FOSがIkarosのco-activatorとして働いていることがあきらかとなったので、次に骨髄腫細胞におけるFOSの役割について明らかとするため、ノックダウンを実施した。その結果、予想通りFOSのノックダウンはIRF4とSLAMF7の発現を低下した。また、FOSとIRF4の発現には相関がみられ、IRF4がFOSにより転写活性化されていることがわかった。(4)FOSを過剰発現させた際のレナリドマイド感受性について検討した。ウェスタンブロットにより解析の結果、FOS過剰発現がレナリドマイドによるIRF4発現低下を抑制し、細胞の生存率でも、FOS過剰発現細胞で有意な治療抵抗性を示すことが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2021年度の計画にあったFOSノックダウンおよび強発現株の樹立、IP-Westernを用いたFOSとIkarosの複合体形成の確認を実施するなど、ほぼ計画通りに研究を進めることができた。来年度実施予定のマウス実験にも取り組み始めているなど、本研究は順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

これまでの結果からFOS阻害剤とレナリドマイド両者の併用効果をアイソボログラムやマウス実験を通じて検討し、FOS阻害剤がレナリドマイド耐性解除に有効かどうか検討する。

次年度使用額が生じた理由

研究費を効率的に使用した結果、少額は翌年度へ持ち越しとなった。この金額は次年度の消耗品、実験試薬等に使用する。

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公開日: 2022-12-28  

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