多発性骨髄腫治療においてlenalidomide(Len)は重要な役割を果たしている。臨床的にもその耐性化は喫緊の課題となっているが、その耐性化機序は不明である。本研究では、1)activator protein-1(AP-1)ファミリー転写因子であるc-FosがIKZF1と複合体を形成し、骨髄腫細胞の増殖に必須の遺伝子の転写を活性化させること、2)LenによりIKZF1発現が低下しても、c-Fosが残存することでLen耐性が誘導される機序を見出した。さらにAP-1阻害剤とLenの併用は、In vitroおよびIn vivoにて優位な増殖抑制効果と生存期間の延長をもたらすことを明らかにした。
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