研究課題/領域番号 |
21K08402
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
照井 康仁 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10285786)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | B細胞腫瘍 / 悪性リンパ腫 / 多発性骨髄腫 / ウイルス / 次世代シークエンサー |
研究実績の概要 |
B細胞性腫瘍である悪性リンパ腫や多発性骨髄腫の発症や病勢増悪に関与しているウイルスの存在を解明し、悪性リンパ腫や多発性骨髄腫の発症や病勢増悪に関与している遺伝子変異や染色体異常とウイルス感染の意義について明らかにするため、病院倫理委員会で承認された研究計画書を基にして、2021年度と2022年度で、悪性リンパ腫患者9例と多発性骨髄腫患者20例より同意説明文書の用いた説明による文書同意を得た。これらの症例のリンパ節検体や骨髄検体から、腫瘍細胞と非腫瘍細胞を分離し、それぞれの細胞からDNA、RNAを抽出した。悪性リンパ腫2例と多発性骨髄腫6例の腫瘍細胞と非腫瘍細胞から抽出したRNAがRNA品質検定により次世代シークエンサー解析に適した検体として選別された。数種類のウイルス配列が検出されており、2022年度は、症例を重ねて次世代シークエンサーによるViromeの網羅解析を進めている。 本研究を通して悪性リンパ腫や多発性骨髄腫の発症や増悪進行に関与しているウイルスが同定できれば、悪性リンパ腫や多発性骨髄腫のみならず、他の造血器腫瘍や生活習慣病のような他領域の疾患への応用が十分に考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
3年間で検体収集の目標は、悪性リンパ腫50例、多発性骨髄腫50例である。2年間の検体収集は悪性リンパ腫患者9例と多発性骨髄腫患者20例であり、目標検体数に届かない可能性がある。次世代シークエンサーによるウイルス塩基配列解析は現在も進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、検体収集は進行中であるが、最も重要なことは現在行われている次世代シークエンサーによるウイルス塩基配列解析である。その結果によってさらに症例を重ねて次世代シークエンサーによるウイルス塩基配列解析を進めるか、あるいは同定された場合のウイルス分子のポリメラーゼ連鎖反応(P C R)を用いての解析を行うかを計画する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度の解析費用は次世代シークエンサーの結果が出てからの支払いとなるため、タカラバイオへのViromeの網羅解析の発注費用は次年度への使用となっている。またそのほかの2023年度費用も次年度の解析費用へ持ち越す予定である
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