研究課題/領域番号 |
21K08415
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
横田 貴史 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教授 (60403200)
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研究分担者 |
上田 智朗 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60747517)
新開 泰宏 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (70791614)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 急性骨髄性白血病 / 腫瘍幹細胞 / サイトカインシグナル / 可塑性 |
研究成果の概要 |
申請者らは、独自に見出した造血幹細胞表面抗原Endothelial cell-selective adhesion moleculeの発現を指標として、ヒト急性骨髄性白血病の腫瘍幹細胞の性質を解析した。その結果、腫瘍幹細胞の集団は均一で静止したものではなく、不均一で可塑性を持つことが明らかとなった。さらに可塑性を誘導する分子機序として、自己分泌するサイトカインが関与していることを見出した。特異的阻害剤を用いてサイトカインシグナルを抑制すると、腫瘍幹細胞は可塑性を失い、抗がん剤に対して脆弱な集団となった。この結果は、腫瘍幹細胞のサイトカインシグナルを標的とした新たな治療開発に寄与すると考える。
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自由記述の分野 |
血液内科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
急性骨髄性白血病は均一な腫瘍細胞の増殖によると考えられてきたが、移植実験において腫瘍細胞の一部が疾患を再構築することから、腫瘍幹細胞という概念が提唱された。近年今まで治療困難であった悪性腫瘍の治療成績が向上している一方、急性骨髄性白血病に対する治療開発は遅れており、同種移植を行っても再発率が高い。原因が腫瘍幹細胞の残存と考えられ、それらの特質を踏まえた治療戦略の構築が喫緊の課題であった。本研究の成果は、腫瘍幹細胞の不均一性と可塑性を捉え、その制御による治療感受性の誘導を示した。可塑性の抑制という新たな角度からの治療戦略を提示すると同時に、広く悪性腫瘍の治療に応用可能な基盤を形成したと考える。
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