骨髄は哺乳類の主要な造血組織である。骨髄の形成は胎児期に骨の発生と並行して進むことが知られるが、骨髄を構成する細胞の由来や分化系譜には未解明な点が残る。本研究ではマウス胎仔における骨と骨髄の間葉系細胞の分化系譜の解析に取り組んだ。その結果、最初期の骨髄を構成する一部の幼若間葉系細胞群がすでに骨芽細胞や骨髄ストローマ細胞などに分化が方向づけされており、発生の進行に伴って成熟していくことが明らかになった。併せて、成長する骨髄と軟骨層の境界領域に胎仔期のセプトクラストが出現することを見出した。本研究によって造血組織の発生に寄与する細胞群の性状の一部が新たに明らかとなった。
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