研究課題/領域番号 |
21K08423
|
研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
有川 智博 東北医科薬科大学, 医学部, 准教授 (70452670)
|
研究分担者 |
林 もゆる 東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (60548147)
豊島 かおる 東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (80846931)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 血小板凝集 / Galectin-9 / 糖鎖認識タンパク質 |
研究実績の概要 |
【2021~2022年度: IP-MS解析で同定された結合候補とGal-9の機能解析】 巨核球は単離が難しいため、まず腹腔マクロファージを用いた検討を開始した。マウス腹腔マクロファージの細胞抽出物に対し、抗マウスGal-9抗体を用いて免疫沈降(Immuno-precipitation, IP)を行い、Mass Spectrometry (MS)にて解析した結果、種々転写因子や酵素タンパク質を中心とした結合候補因子が複数特定され、その中にマクロファージや好中球のケモタキシスや貪食に深く関わる細胞内骨格制御因子も含まれていた。免疫染色像を確認すると、実際Gal-9と上記細胞骨格制御因子は共局在し、IPによるタンパク相互作用も再確認された(データ未掲載)。Gal-9は細胞骨格の動的制御に間接的に関与する可能性が示唆されたことから、細胞骨格の制御を介して血小板凝集を調節するという仮説を立てて解析を進めているところである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の対応のため、教育エフォートの割合が高くなったこと、また外部協力者(日本赤十字社)からの検体提供等の支援を得ることが難しかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
膜動態制御の解明を目的とし、巨核球での共局在及びマウス血小板を用いた詳細解析を中心に分子標的候補によるシグナル伝達経路を明らかにする。また、分子標的やシグナル伝達経路を明らかにした後、血小板凝集作用に関する細胞内Gal-9標的分子を軸とした生理学的意義の解明と臨床応用を目指し、ヒト検体(宮城県日本赤十字センター協力)を用いた解析を行う。ヒト血小板凝集反応に関して、リコンビナントGal-9や抗Gal-9中和抗体を用いたin vitroでのGain-of-function、Loss-of-function解析を予定している。ヒト血小板を用いた解析の結果次第では、肺塞栓等が見られるマウス疾患モデルを利用し、治療効果を検証しつつ、臨床応用を見据えた臨床応用への展開も考慮する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の対応のため、教育エフォートの割合が高くなったこと、また外部協力者(日本赤十字社)からの検体提供等の支援を得ることが難しく、予算執行が滞ったため。
|