研究課題/領域番号 |
21K08433
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
平賀 寛人 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (80637546)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | レチノイン酸 / ビタミンA / マクロファージ / パイロトーシス |
研究実績の概要 |
VADマウスでは腸炎モデル・感染モデルのいずれにおいても宿主抵抗性が減弱しており、ビタミンAがマクロファージのパイロトーシスに及ぼす影響と炎症性腸疾患の病因・病態に関与している可能性に着目し、本研究を進めている。当該年度に実施した研究の成果は下記の通りである。 ①VADマウスの作製:妊娠雌をビタミンA欠乏食(オリエンタルイースト社)で飼育、10週齢まで欠乏食を継続。対照群は通常餌で飼育したVitamin A-sufficient (VAS)マウスを使用。 ②DSS腸炎誘発:VAS・VADマウスに4% DSS(M.W. 5000, WAKO)自由飲水で腸炎を誘発。0・1・2日後にコラゲナーゼ法でLPMCを分離、LPS添加して培養、パイロトーシスを評価。 ③Salmonella typhimurium経口感染:S.typhimurium Χ3306株を1X108 CFU/0.2 mlに調整し、経口感染させる。感染0・1・2日後に脾臓を採取、パイロトーシス関連分子を解析。 ④CD11b+脾細胞分離・培養:VAS・VADマウスから脾臓を摘出、コラゲナーゼ処理・破砕・溶血をへて脾細胞を分離する。CD11b+脾細胞をマグネットビーズで標識し、AUTOMACS(Miltenyi Biotec社)で分離する。10% FBS RPMIで5X106 /mlに細胞浮遊液を調整し、対照群・LPS添加群(10 μg/ml)に分けて培養→パイロトーシスを解析(上清中IL-1b測定, LDH-releasing assay)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
自己炎症性疾患患者の血清・内視鏡サンプリングが当初の予定よりは進展が遅れているが、その他計画通りである。
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今後の研究の推進方策 |
本研究開始時の仮説である、“マクロファージにおけるレチノイン酸受容体シグナルは、オートファジーを介したCaspase-11活性化の調節により、パイロトーシスとIL-1b産生を制御している”は証明されつつある。追加実験で確定、論文化を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度の研究を充実させた方が研究遂行上、有益であると判断し、今年度の計画を見直した結果、当初予定額との差額が生じた。令和5年度は物品費を充実させて研究を進める予定である。
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