研究課題/領域番号 |
21K08434
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
竹田 正秀 秋田大学, 医学系研究科, 講師 (30466594)
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研究分担者 |
植木 重治 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (60361234)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 好酸球 / 気道上皮細胞 / galectin-10 / ETosis / サイトカイン |
研究実績の概要 |
喘息患者の気道上皮には好酸球の集積が多数みられることが知られている。好酸球は気道局所で活性化し、ETosisをきたすことが考えられる。ETosisをきたした好酸球からは、galectin-10や細胞外トラップとして知られる、DNA Trapsが放出されることが報告されている。喘息の炎症局所では、気道上皮細胞と好酸球の相互作用によって、気道上皮細胞からのサイトカイン産生や粘液産生機構に影響がある可能性がある。本研究では、気道上皮細胞と活性化によりETosisをきたした好酸球との相互作用について研究を行う。 2021年度は、気道上皮細胞株であるNCI-H292細胞を用いて、好酸球ETosisによって放出される、galectin-10の影響を検討した。galectin-10を用いて気道上皮細胞株を刺激し、サイトカイン産生や粘液産生機構としてMUC5AC産生について、検討を行った。サイトカイン産生については、galectin-10で気道上皮細胞株を刺激した培養上清について、Bioplexを用いて、IL-8、GM-CSF、TSLP、IL-33など複数のサイトカイン産生について検討した。その結果IL-8について、galectin-10の濃度依存性にIL-8の産生亢進が確認された。その他のサイトカインについては、検出感度以下となり、GM-CSF、TSLP、IL-33などのサイトカイン産生については、galectin-10の影響はみられないことも確認した。また、培養上清中のMUC5AC産生についてはELISA法を用いて、MUC5ACの産生について検討した。その結果、galectin-10の濃度依存性にMUC5ACの産生亢進が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度は主に気道上皮細胞株のサイトカイン産生に対するgalectin-10の影響を確認することができ、研究計画は新型コロナウイルス感染症感染拡大下ではあるが、おおむね順調に進展していると考えている。2022年度は好酸球ETosisによる細胞外トラップの気道上皮細胞への影響について検討していきたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
気道上皮細胞機能に対するgalectin-10の影響については、今後xcelligenceシステムを用いた細胞増殖への影響について検討していきたいと考えている。 また、2022年度は好酸球ETosisにより産生される細胞外トラップの気道上皮細胞株への影響について研究をすすめたいと考えている。具体的には、細胞外トラップ刺激による、気道上皮細胞の形態変化の観察や、サイトカイン産生、細胞増殖についての影響を検討したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響をうけ、計画より若干ではあるが、研究の実施 が一部遅れた影響があった。 翌年度分として請求した助成金と合わせた使用計画としては、現在すすめている、細胞増殖実験をxcelligenceシステムを用いて解析することに加え、現在細胞外トラップで気道上皮細胞を刺激した培養上清を保存しており、気道上皮細胞からの複数のサイトカインをBioplexを用いて検討する準備をすすめている。
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