研究課題/領域番号 |
21K08439
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
岩本 直樹 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (80437897)
|
研究分担者 |
大山 要 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 准教授 (50437860)
一瀬 邦弘 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員教授 (60437895)
川上 純 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (90325639)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 全身性強皮症 / 単球 / M1・M2 / TGF-b |
研究実績の概要 |
前年度までの研究により強皮症患者でのM2単球の増加およびM2単球からのケモカイン産生能の上昇が認められた。次に健常者血液よりM2単球をフローサイトメメトリーを用い抽出し、M2単球およびそれ以外の単球についてTGF-bの産生能を測定した。 M2単球ではそれ以外の単球に比べTGF-bの産生が亢進していた。 さらに単球が皮膚線維化に及ぼす影響をin vitroで証明するために単球と健常者皮膚線維芽細胞との共培養を行った。単球との共培養により皮膚繊維芽細胞のCOL1A2の発現亢進が認められ、単球による皮膚線維化亢進の可能性が示唆された。また、この亢進能はM2単球と共培養したときはそれ以外の単球と共培養したときに比べ増加する傾向を認めた。 以上よりM2単球がケモカインの産生亢進のみならず、TGF-bの産生亢進、さらには直接的に皮膚線維化を増強させ、強皮症の病態に寄与している可能性が示唆された。今後は強皮症患者単球での共培養やM2単球抽出によるTGF-b産生能の亢進を確認したい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
M2単球によるTGF-bの産生亢進および皮膚線維芽細胞の線維化亢進を確認することができ、M2単球の強皮症病態における重要性をより示すことができたため。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は今までに得られた知見を強皮症患者単球においても確認するとともに、より症例数を増やし臨床像と単球サブセットの関連を解析していく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究結果公表のための論文校正費、線維芽細胞を用いた実験などに必要物品の購入に充てる。
|