研究課題
研究計画1では野生型マウスへHDM、或いはPBS(コントロール)を経気管支投与することによりアレルギー性気道炎症を惹起することによりアレルギー性気道炎症モデルのマウスが作成した。それぞれの群のマウス肺からCD11b+ DC (CD11c+, CD11b+, Siglec F -)と気道上皮細胞をFACSにより単離する作業を行っておりシングルセルRNAシークエンスのセットアップが完了して単 一細胞RNAシークエンス解析を用いてCD11b+ DCのサブセット構成を明らかにし、各サブセットに特異的に発現する遺伝子(マーカー遺伝子)を同定中である。研究計画2では肺CD11b+DCの単一細胞RNAシークエンスの解析結果からTSLP受容体、IL-33受容体を高発現するサブセットを同定中である。肺CD11b+DCを単離し、ChIP(chromatin immunoprecipitation) シークエンス(ChIP-seq)、ATACシークエンス(ATAC-seq)を用いて、TSLP受容体、IL-33受容体遺伝子座のエピジェネティック変化を解析中である。それぞれの細胞に発現するサイトカイン、サイトカイン受容体の情報をもとに、気道上皮細胞と各DCサブセット間のサイトカインクロストークを網羅的に解析している。研究計画3ではヒト喘息患者における肺DCの解析として国際医療福祉大学成田病院アレルギー・膠原病内科へ通院中の喘息患者の臨床情報(発症年齢、重症度、BMI、治療反応性等)、末梢血好酸球数、呼気中NOなど の臨床パラメーター、誘発喀痰検査の情報(好中球比率、好酸球比率)を取得中である。誘発喀痰中に含まれるDCをフローサイトメトリーで解析するセットアップを行っている。
3: やや遅れている
コロナ渦のために海外からのノックアウトマウス搬入が遅れたため。
今後単一細胞RNAシークエンス解析を用いてCD11b+ DCのサブセット構成を明らかにし、各サブセットに特異的に発現する遺伝子(マーカー遺伝子)を同定する研究を更に推進する予定である。また、同定したマーカー遺伝子のプロモーターの制御下にCreリコンビナーゼを発現するトランスジェニックマウスを作成する予定である。このマウスとROSA26-flox-STP-flox-tdTomato-DTR (diphtheria toxin receptor)マウスを交配しDCサブセット特異的にtdTomatoとDTRを発現するマウスを作成する予定である。研究計画3のヒト喘息患者における肺DCの解析では誘発喀痰中に含まれるDCをフローサイトメトリーで解析する予定である。
コロナ渦のため次年度使用額が生じた。今後物品の購入に使用する予定である。
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Cureus
巻: 13 ページ: e15767
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