研究課題/領域番号 |
21K08471
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
坪井 洋人 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80580505)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | IgG4関連疾患 / 顎下腺 / RNA-Seq / 主成分分析 / パスウェイ解析 |
研究実績の概要 |
RNA-Seqを用いて、IgG4関連疾患(IgG4-RD)の病変局所と末梢血間でT/B細胞特異的発現変動遺伝子(DEG)を明らかにするため、以下の解析を行った。無治療のIgG4-RD確診例(2011年包括診断基準による)(N=3)から、組織学的基準を満たす顎下腺、末梢血単核球(PBMC)を採取し、Magnetic-Activated Cell Separation(MACS)でCD3+T細胞、CD19+B細胞を分離した。顎下腺とPBMCの間で、T/B細胞の遺伝子発現をRNA-Seqで比較し、1)主成分分析(PCA)によるクラスタリングとDEGの抽出、2)Ingenuity Pathway Analysis(IPA)を用いたパスウェイ解析、3)抽出したDEGに関して定量PCRによるvalidationを行った。 1)PCAでは顎下腺T/B細胞と末梢血T/B細胞の遺伝子発現パターンはそれぞれ異なっていた。末梢血と比較し、顎下腺T細胞で発現増加したDEGは214個、減少したDEGは50個、顎下腺B細胞で発現増加したDEGは630個、減少したDEGは109個であった。顎下腺で発現増加したDEGには、複数のサイトカイン、ケモカイン、転写因子が含まれていた。 2)顎下腺T細胞ではTh1、Th2、IL-17、全身性エリテマトーデス(SLE)、Toll like receptor(TLR)、wound healingシグナルの亢進が認められた。顎下腺B細胞ではSLE、補体経路、線維化、IL-8、IL-15シグナルの亢進が認められた。 3)顎下腺T細胞では、末梢血と比較して、IL-21、EGR2のmRNA発現は有意に増加していた。 以上の結果より、RNA-Seqを用いてIgG4-RD病変局所のT/B細胞で発現変動した遺伝子が同定され、病態への関与が示唆されるパスウェイが抽出された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
RNA-Seqを用いて、IgG4関連疾患(IgG4-RD)病変局所のT/B細胞で発現変動した遺伝子を同定し、病態への関与が示唆されるパスウェイを抽出した。さらに定量PCRによるvalidationを行い、顎下腺T細胞では、末梢血と比較して、IL-21、EGR2のmRNA発現が有意に増加していることを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
現時点で同定された病態への関与が示唆されるパスウェイ、末梢血と比較して顎下腺T細胞で発現増加が確認されたIL-21、EGR2に関して、T/B細胞を用いたin vitroでの機能解析を予定している。
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