研究課題
目的:IgG4関連疾患の典型臓器病変の一つである腎病変において、病変進展と線維化促進に関与するリンパ濾胞の役割を明らかにする。1.ヒト病理組織標本を用いた三次リンパ組織(リンパ濾胞: TLT)の形成頻度の検討方法:ヒトIgG4関連尿細管間質性腎炎13症例、対照群として特発性間質性腎炎6症例、シェーグレン症候群の間質性腎炎1例、サルコイドーシスの間質性腎炎1例に免疫染色を行い、三次リンパ組織(リンパ濾胞: TLT)の形成に差があるかを比較検討した。結果:IgG4関連尿細管間質性腎炎のTLT形成の中央値(四分位範囲)は単位面積当たり 0.30(0.27、0.79)であり、コントロール群の0.00(0.00、0.21)に比して有意な形成を認めた(p=0.005)。また、IgG4関連疾患群においてTLTの形成程度はIgG4陽性細胞、CD138陽性形質細胞の浸潤程度と相関を認めた。第67回日本リウマチ学会総会・学術集会において、本検討について報告した (眞田 創、川野 充弘他、IgG4関連腎臓病における三次リンパ組織の形成は疾患活動性と相関する、第67回日本リウマチ学会・学術集会)。2.IgG4-RDの動物モデルであるLat Y136F変異マウスにTLT産生誘導の刺激を加えることによるIgG4関連尿細管間質性腎炎及び線維化形成機序の検討方法:IgG4-RDの動物モデルとしてLat Y136F変異マウスを用い、TLTを誘発する刺激として、片腎虚血再灌流による急性腎傷害誘発モデル、アデニンを用いた間質性腎炎誘発モデル(アデニン腎炎モデル)を作成した。結果:各モデルにおいて、介入群と非介入群を各5例 (計20例) 作成しTLT形成や間質病変の程度について検討した。TLTは、いずれの群においても形成は認められず、間質病変の程度においても差はなかった。
3: やや遅れている
マウスでの検討において、期待した結果を得られなかった。
1.既知の他のTLT誘導方法をLatY136F変異マウスに導入してTLT形成の誘導を試みる。Lipopolysaccharideの腹腔内投与によって胸腺にTLT形成を誘導した既報 (Robinet M. Use of Toll-Like Receptor Agonists to Induce Ectopic Lymphoid Structures in Myasthenia Gravis Mouse Models. Front Immunol. 2017 Aug 25;8:1029.) など、実現可能性のある手法を元に検討する。2.ヒト腎組織におけるTLTの形成が疾患によってどのくらい異なるかを明らかにするため、さらに多くのIgG4関連尿細管間質性腎炎及びコントロールとなる特発性間質性腎炎を集めて免疫組織学的に検討する
マウスの新たな研究に使用する目的で研究計画中である
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (17件) (うち国際学会 3件、 招待講演 4件)
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