研究課題/領域番号 |
21K08477
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
藤岡 数記 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (30762174)
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研究分担者 |
松田 修 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00271164)
岸田 綱郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00370205)
藤井 渉 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (60755643)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | iPS細胞 / 免疫寛容性樹状細胞 / 自己免疫疾患 |
研究実績の概要 |
樹状細胞は獲得免疫系の上流に位置し免疫応答の開始機転として重要な役割を担っているが、実際には複数のサブセットが存在しており、免疫応答を負に制御する免疫寛容誘導性樹状細胞(tolerogenic dendritic cell: tolDC)も存在している。我々はヒトiPS細胞を用いて種々のサイトカイン、化合物を作用させることによりtolDCと考えられる性質を有する細胞が誘導可能であることを見出している。 すなわち公開されているiPS細胞株より我々が開発した手法でiPS-tolDCを誘導し抗CD3/CD28抗体の存在下にヒトCD4(+)T細胞と共培養を行ったところ、iPS-tolDCとの共培養系は通常のiPS-DCと比較し有意にT細胞の増殖を抑制した。またiPS-tolDCがIL-10等抑制性サイトカインを放出していることを確認した。一方共培養をtranswellを用いて再試行したところ、増殖抑制能は低下した。このことからiPS-tolDCの抑制機能はcell to cell contactによる機序が重要と考えられた。さらにCD4(+)T細胞に通常の樹状細胞を加えプライミングさせたところでも、iPS-tolDCを加えることでCD4(+)T細胞の増殖を抑制でき生体内類似環境でもT細胞の抑制効果を有する可能性が確認できた。 さらに実際の自己免疫疾患、具体的には関節リウマチや全身性エリテマトーデス、血管炎の患者由来のT細胞の機能を抑制しうるかを同様の共培養系を用いて検討したところいずれの疾患においてもiPS-tolDCはT細胞機能を抑制出来ており、免疫疾患治療への候補となりうることが示唆された。
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