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2022 年度 実施状況報告書

成人スティル病におけるマクロファージ活性化症候群の病態解明と定量化

研究課題

研究課題/領域番号 21K08479
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

金子 祐子  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (60317112)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード成人スティル病 / サイトカイン / マクロファージ
研究実績の概要

成人スティル病は、自己炎症症候群のひとつに分類され、疾患外因性または内因性刺激によるマクロファージや好中球を主体とした自然免疫系の異常活性化が病態と考えられている。本研究では、活動性成人スティル病で最重症病態であるマクロファージ活性化症候群の病態解明とマクロファージ活性化度の定量化および発症予防可能な分子標的同定を目的としている。
2021年度には成人スティル病64名と健常人19名の血清でProximity Extension Assay (PEA)法による354蛋白の網羅的プロテオーム解析を実施した。活動期成人スティル病において、IFNγ、CCL7、CCL20、CXCL9/10/11、IL18、S100A12タンパクなどマクロファージ遊走と活性化、好中球活性化に関連する分子を含む22蛋白を高発現タンパクとして同定した。またmass cytometry実施に向けて、細胞表面分子による詳細な細胞分画実施と細胞活性化因子の細胞内および表面分子を検出するため、細胞透過処理プロトコールと適切な細胞分子と金属ラベルの組み合わせの確立を実施した。
2022年度では、活動期、非活動期、再燃期などさまざまなステージの成人スティル病患者47名と健常人5名でmass cytometryを実施し、細胞をクラスター分析と主成分分析で分画し、キー細胞となりうる候補が7クラスター同定された。特にNK細胞に属する細胞群が大部分を占め、非活動期でもその後再燃した症例ではNK細胞低下が持続していた。NK細胞減少やグランザイムやパーフォリンの機能異常が、抗原提示細胞クリアランスを低下し持続的な炎症を惹起する可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2021年度の遅れが2022年度へ繰り越された。2022年度は進捗を認めているが、さらに患者検体収集を促進し、次年度での解析に使用予定。また、RNA解析を現在実施中であり、本年度後半に分析を進めていく。

今後の研究の推進方策

患者血清および細胞集積をさらに継続する。Mass cytometryによる末梢血リンパ球サブセットと細胞内蛋白発現解析、プロテオミクス結果の、RNA seq結果を、臨床的疾患活動性や治療などで層別化して詳細な解析を実施し、マクロファージ活性化カスケードの同定と定量化式確立を目指す。

次年度使用額が生じた理由

やや進捗に遅れが認められたことに伴って、本年度の血液解析の個数が減少したことにより、次年度に繰越となった。患者血清および細胞集積をさらに継続し、次年度には患者登録促進が進むことが見込まれるため、次年度での解析に使用予定。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Interluekin-6 inhibitors for the treatment of adult-onset Still's disease.2022

    • 著者名/発表者名
      Kaneko Y
    • 雑誌名

      Mod Rheumatol

      巻: 32 ページ: 12-15

    • DOI

      10.1093/mr/roab004.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Interleukin-6 inhibition: a therapeutic strategy for the management of adult-onset Still's disease2022

    • 著者名/発表者名
      Kaneko Y, Takeuchi T
    • 雑誌名

      Expert Opin Biol Ther.

      巻: 22 ページ: 79-85

    • DOI

      10.1080/14712598.2021

    • 査読あり

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公開日: 2023-12-25  

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