研究課題/領域番号 |
21K08501
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
原田 恵嘉 国立感染症研究所, エイズ研究センター, 室長 (30508643)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | HIV / SARS-CoV-2 |
研究実績の概要 |
本研究課題「抗HIV薬研究を起点とする新規SARS-CoV-2治療戦略探索とウイルス性状解析」は、(A) 網羅的抗HIV阻害剤ライブラリーを起点に5戦略薬剤探索によりSARS-CoV-2特異標的シーズを見出すと共に、それらをプローブとした (B) 包括的ウイルス学的解析により、新規SARS-CoV-2治療法に繋がる基盤データを取得することを主目的とする。本年度は、本研究を加速度的に進めるために、5戦略薬剤探索の中から、SARS-CoV-1およびSARS-CoV-2において、既に有意な抗ウイルス活性報告がされている、(1) 融合阻害剤群および (3) プロテアーゼ阻害剤群に関して、所属機関で分離されたSARS-CoV-2 wk-521株をはじめとする各種臨床分離株を、アフリカミドリザル腎臓上皮細胞由来VeroE6/TMPRSS2株またはヒト肺上皮細胞由来Calu-3株等の標的細胞に感染させ、細胞変性効果(CPE)およびウイルスRNA量測定等により評価を行うことから集中的に開始した。結果、各カテゴリー阻害剤ライブラリーにおいて、いくつかの候補化合物を見出すことができた。同時に、VeroE6/TMPRSS2細胞を用いたCPE評価系が必ずしも候補化合物探索に最適ではないことも判明し、改めて、効率的なスクリーニングおよびヒット化合物探索を目的に、新規薬剤感受性試験法の構築を進め、コントロールである中和抗体パネルにおいて、有用な評価結果を得ることができた。今後は、本評価系も含めて、候補化合物探索を推進していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の主軸となる5戦略薬剤探索に関しては、上記「研究実績の概要」で示した通り、順調に進行している。特に本年度は、本研究を加速度的に進めるために、SARS-CoV-1およびSARS-CoV-2において、既に有意な抗ウイルス活性報告がされている、①融合阻害剤群および③プロテアーゼ阻害剤群に関して合成、設計、およびスクリーニングを集中的に展開し、いくつかの候補化合物を見出すことができた。同時に、効率的なスクリーニングおよびヒット化合物探索を目的に、新規薬剤感受性試験法の構築も進め、既に中和抗体パネルにおいて、有用な評価結果を得ることもできた。
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今後の研究の推進方策 |
研究実施計画でも示したが、次年度は本年度に引き続き、かつ、加速度をつけて、(A) 網羅的抗HIV阻害剤ライブラリーを起点に5戦略薬剤探索によりSARS-CoV-2特異標的シーズを見出すと共に、それらをプローブとした (B) 包括的ウイルス学的解析により、新規SARS-CoV-2治療法に繋がる基盤データを取得することを展開する。特に、5戦略薬剤探索における (2) HR1疎水溝阻害剤群、(4) RNA合成阻害剤群、および (5) 新規標的阻害剤群、に関して積極的に展開していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
推進方策においても示したが、次年度は、5戦略薬剤探索における (2) HR1疎水溝阻害剤群、(4) RNA合成阻害剤群、および (5) 新規標的阻害剤群、に関して積極的に展開していく予定であり、本年度よりも消耗品の使用の増加が予想されたため、本年度の研究費の一部を次年度に使用することにした。
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