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2021 年度 実施状況報告書

緑膿菌線毛蛋白DNAと樹状細胞リガンドDNAワクチンによる緑膿菌肺炎制御の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 21K08508
研究機関大分大学

研究代表者

平松 和史  大分大学, 医学部, 教授 (80301381)

研究分担者 小宮 幸作  大分大学, 医学部, 准教授 (50727550)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード緑膿菌 / 線毛蛋白 / DNAワクチン / アジュバント
研究実績の概要

緑膿菌標準株PAO1株のpilA遺伝子をクローニングするために、すでに発表されているPAO1株の遺伝子配列より、pilA遺伝子全長およそ450bpの5'末端側と3'末端側のプライマーを外部委託により合成した。緑膿菌PAO1株を熱処理し合成したプライマーを用いてPCRを行い、アガロースゲル電気泳動により目的とする約450bpのDNA産物が合成されていることを確認した。続いて合成したPCR産物よりプライマーなどを除去するためスピンカラムを用いて精製したPCR産物を得た。得られたPCR産物とT-Vectorを混合しligation kitを用いて、T-VectorとpilA-PCR産物をligationした。ligation後competent cellである大腸菌に導入し、ampicillin/IPTG/X-Galを含む寒天培地上で増菌させた。PCR産物が導入されたプラスミドを含む大腸菌は白色のコロニーを形成するため、白色のコロニーを釣菌し、液体培地内で増菌させた。増菌させた大腸菌よりプラスミド抽出キットを用いてpilA遺伝子が挿入されていると考えられるプラスミドを回収した。pilA遺伝子が挿入されているかどうかを確認するため、T-Vector内にある制限酵素部位を該当する制限酵素で切断し、PCR産物と同じ約450bpの挿入物が得られていることを確認した。さらに正しい塩基配列として挿入されているかどうかを確認するために挿入部分のシークエンスを行った。シークエンスにより設計通りにT-Vectorに緑膿菌PAO1株のpilA遺伝子が挿入されていることを確認した。続いてT-vectorに挿入したpilA遺伝子を制限酵素で切断、抽出し、サイトメガロウイルスのプロモーターを上流に有するDNAワクチン用のプラスミドpVAX1に挿入するように準備を進めているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

pilA遺伝子のPCR産物をT-Vectorに挿入し、その配列をシークエンスし、確認する段階までは計画通りに研究を実施することができた。その後DNAワクチン用のプラスミドであるpVAX1にpilA遺伝子を挿入し、そのプラスミドを細胞内に移入することで、線毛蛋白の発現効果を検討することを今年度の予定としていた。シークエンスの実験の際に、やや不具合が発生し、時間を要した。また新型コロナウイルス感染症への対応業務が多く生じ、本来予定していた本研究へのエフォートが十分に確保できず、計画通りの実験を遂行できなかった。

今後の研究の推進方策

次年度は、今年度予定していたpilA遺伝子のDNAワクチン用プラスミドpVAX1への挿入をできる限り早期に行う。挿入したpilA-pVAX1プラスミドを細胞内に導入し、in vitroでの線毛蛋白の発現を検証する。その上でプラスミドpilA-pVAX1とFlt3G-DNAプラスミドをマウス気道への投与し、マウス肺洗浄液中の抗線毛蛋白IgGやIgA抗体価の測定などin vivoでの実験を実施する。

次年度使用額が生じた理由

T-Vectorに挿入したpilA遺伝子のシークエンス作業に時間を要したことなどから研究の遂行がやや遅れた。そのために当初の計画で購入予定であった細胞培養用の培地やプラスチック製品等を購入しなかったため、次年度使用額が生じた。今年度実施できなかった実験を次年度行う予定としており、繰越額を含めて使用していく予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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