研究課題
基盤研究(C)
近年、犬・猫といった伴侶動物と人との距離は益々近接している。人のメンタル・サポートといった長所がある一方で、犬・猫⇔人での病原体の伝播が懸念されている。本研究では、人獣共通病原菌となる犬レンサ球菌が保有する侵入性・定着性・薬剤耐性・病原性に関してゲノム/転写を踏まえて解明することを目的とした。その結果、犬レンサ球菌は他のレンサ球菌(例えば、化膿レンサ球菌)と類似した侵入性機構・定着性機構・薬剤耐性機構・病原性機構を有していることが明らかとなった。今後、さらなる解明が求められる。
感染症学、臨床微生物学、感染制御学
本研究は人獣共通病原菌である犬レンサ球菌が保有する侵入性・定着性・薬剤耐性・病原性を解明したものであり、検索した限り、日本における最初の研究成果となる。本菌種も他のレンサ球菌(例えば、化膿レンサ球菌)と類似した侵入性機構・定着性機構・薬剤耐性機構・病原性機構を有している点は学術的に興味深い。ペニシリン結合タンパク質におけるアミノ酸置換を示すペニシリン低感受性犬レンサ球菌の実証を踏まえ、獣医診療における抗菌薬の慎重投与を早急に促進する必要がある。