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2021 年度 実施状況報告書

再発性C. difficile感染症に対する新規創薬シード化合物の探索

研究課題

研究課題/領域番号 21K08514
研究機関北里大学

研究代表者

松井 秀仁  北里大学, 大村智記念研究所, 講師 (80503797)

研究分担者 内山 淳平  岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (20574619)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードClostridioides difficile / Binary toxin / 毒素 / 芽胞 / 天然化合物
研究実績の概要

Clostridioides difficileは、芽胞形成性を有する嫌気性グラム陽性桿菌である。本菌は、抗菌薬関連下痢症の原因菌として、強毒株の流行から世界的に問題となっている。本研究では、C. difficile感染症で問題となる再発例の抑制に繋げることができるような新たな作用を有した天然化合物の探索を目的としている。今年度は、種々のスクリーニング系を構築するために検討を行った。毒素産生抑制効果を評価するため、Binary toxinを構成するCDTa及びCDTbの組み換えタンパクの作製を行った。CDTaについては、精製タンパクを得ることができ、ラットに免疫することで特異抗体の作製を行った。得られた抗体を用いて、ELISA法による定量系を構築し、これまでにC. difficile培養上清からCDTaを検出可能であることを確認している。CDTbについては、種々の発現プラスミドを検討し、可溶化発現可能な系を構築することができ、現在精製条件の検討を進めている。また、毒素活性の阻害スクリーニングでは、腸管由来細胞を用いてスループットの高い実験系の構築を進めている。また、抗菌活性及び芽胞形成性の評価方法については、評価系を構築済みである。これまでに、既存薬剤であるバンコマイシン、メトロニダゾール、フィダキソマイシンなどを用いて基礎データを取るとともに、スクリーニング系の安定性を評価しいてる。今後、これらのスクリーニング系を用いて、天然化合物ライブラリーの評価を進めていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、各種スクリーニング系の構築を目指し、研究を実施した。C. difficileの強毒株で産生が確認されているBinary toxinについて、定量系を構築するため、構成タンパクのCDTa及びCDTbの遺伝子をクローニングし、大腸菌を用いたタンパク発現系を構築した。CDTaは、抗体作製に必要な純度を有し、十分量のタンパクを精製する事が出来た。CDTbについては、初期に検討を行ったプラスミドではタンパクが不溶化するなど問題が認められたが、種々のプラスミド及び発現株を検討することで可溶化画分にCDTbを発現することが可能となった。現在、精製を進めており、同様に抗体の作製を行っていく。すでに構築済みのToxinB定量系を含めて、3種の毒素タンパクの変動の解析を進めていく。また、腸管由来細胞株を用いて、各種毒素による細胞毒性をcell ronding assayで評価する実験系の構築を進めており、C. difficileに対する抗菌活性及び芽胞形成阻害活性については、研究室に保有しているリボタイプの異なる株で解析できる体制を構築した。

今後の研究の推進方策

次年度は、CDTbの組み換えタンパク及び特異的抗体の作製を進め、ELISA法による定量系を構築する。また、ToxinBを用いた細胞傷害活性のスクリーング系の構築などを進めていく。続いて、これまでに構築した評価系をもちいて、天然化合物ライブラリーからの活性物化合物のスクリーニングを実施する。ヒット化合物については、更なる評価のため、生産微生物の大量培養を行い化合物の取得を進め、その作用機構について解析を行う。また、高次評価として、これまでにマウスを用いた致死的なC. difficile腸管感染モデルを構築しているが、種々の化合物の特性に応じた評価ができるように、腸管内にC. difficileを保菌した状態のマウスモデルの構築も進めていく。

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公開日: 2022-12-28  

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