1型糖尿病および2型糖尿病は多数の遺伝子が関与する多因子遺伝と考えられている。一方、若年診断、非肥満、家系集積といった特徴を持ち、単一遺伝子異常による糖尿病が疑われる例はしばしばみられるが、既知遺伝子で説明できる例は一部にとどまっていた。 本研究では、単一遺伝子異常による糖尿病の原因となる既知11遺伝子に変異を見出すことができなかった若年診断糖尿病例につき、ゲノムDNAの全ゲノムシーケンスを用いた網羅的解析を行った。結果、1例につき膵の発生に関与するRFX6遺伝子の新規フレームシフト変異を見出した。若年診断糖尿病の遺伝的背景をより詳細に探究することができたと考える。
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