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2022 年度 実施状況報告書

ヒト膵β細胞量の調節因子の解明による新たな糖尿病治療ストラテジーの確立

研究課題

研究課題/領域番号 21K08535
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

税所 芳史  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師(非常勤) (90327510)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード2型糖尿病 / 膵β細胞 / インスリン / グルカゴン
研究実績の概要

本研究は、主にヒト膵組織を用いて組織学的に様々な生理的・病的条件下での膵β細胞量の変化を検討し、その調節機構および調節能を明らかとしようとするものである。
膵β細胞障害は1型、2型糖尿病に共通した病態であり、両者において膵β細胞量の減少を認めることから、膵β細胞量の増加あるいは減少の防止は1型、2型糖尿病の両者において根治につながることが期待される。しかしながらヒトでは膵β細胞量を直接測定することができず、その生理的・病的変化は不明な点が多い。
本研究では剖検および膵摘出術を行った症例のヒト膵組織を組織学的に詳細に検討することで、ヒト膵β細胞量の調節機構を解明するとともに、膵β細胞量と糖代謝の関係について明らかとする。本研究は糖尿病の病態における膵β細胞量の意義・役割を明らかとするとともに、膵β細胞量の増加・減少に関わる因子を明らかとすることにより、1型、2型糖尿病の治療および予防につながる知見を得ることを目的とする。
昨年度、我々はこれまでの知見をもとにアメリカ内分泌学会の英文誌であるThe Journal of Endocrine Societyに膵β細胞の量を規定する生理的・病的因子についての総説を発表した(J Endocr Soc 5(10):bvab128, 2021)。また本総説において、膵β細胞保護の観点からの新たな糖尿病治療戦略の重要性を「β cell centric concept」として提唱した。また、我々は膵手術を行った膵腫瘍患者の摘出膵検体を用いて、糖尿病治療薬であるDPP-4阻害薬の使用が膵β細胞量に与える影響を検討し、報告した(Endocr Pract 28:563-564, 2022)。
本年度、我々は膵外分泌組織と内分泌組織の相互関係を明らかにする目的で膵癌患者におけるβ細胞量、α細胞量の変化について検討し、報告した(Endocr J 69:1407-1414, 2022)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス流行により対面によるミーティングの機会が減少し、また本研究者が異動により大学の非常勤講師となったため、研究グループの指導に費やす時間が減少している。

今後の研究の推進方策

オンラインミーティングなどを活用し、研究を推進していく。また新型コロナの感染対策を行った上で対面のミーティングを増やしていく。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ流行下において学会出張費などが減少したことや研究者の異動により研究の進捗に遅延が生じたことによる。次年度ではオンラインミーティングなどを活用し、研究の進捗および成果の発表に努めていく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Increased alpha cell to beta cell ratio in patients with pancreatic cancer2022

    • 著者名/発表者名
      Tsuchiya Tami、Saisho Yoshifumi、Inaishi Jun、Sasaki Hironobu、Sato Midori、Nishikawa Masaru、Masugi Yohei、Yamada Taketo、Itoh Hiroshi
    • 雑誌名

      Endocrine Journal

      巻: 69 ページ: 1407~1414

    • DOI

      10.1507/endocrj.EJ22-0170

    • 査読あり

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公開日: 2023-12-25  

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