今後の研究の推進方策 |
1)劇症1型糖尿病患者およびモデルマウスの膵組織における鍵分子の発現:患者膵で得られた知見より、EMC(encephalomyocarditis) virus 感染劇症1型糖尿病モデルマウス膵における鍵分子候補の発現を免疫組織化学などにより検討する計画である。これらの検討で鍵分子が明らかにならない場合は、さらに候補分子を増やして検討を進める。具体的にはCTLA-4, CD28, CD80/86, CD11b, CD11c, CD163, CD300e, HLA class I, HLA class II, CSAD, ITGB7などの分子である。 2)劇症1型糖尿病患者におけるCD300eの解析:フローサイトメトリーを用いた検討および刺激培養試験での検討においては、新たに集積した検体を用いたさらに多数例での検討を進める。患者血中CD300e抗体の測定はCOVID-19などの影響を受けていることから異なった結果が得られる可能性があり、今後重点的に症例の集積に努める。また、解析の一環として、新たにβ細胞障害との関連が報告されている血中プロホルモンなどの測定もおこなう。 3)高齢者劇症1型糖尿病の臨床的特徴の検討と治療への提案:高齢者劇症1型糖尿病の臨床的特徴の検討を出版することができた。今回の結果をふまえ、また同様の論文を参考にし、場合によってはメタアナリシスなどを実施する。これらのことから、高齢1型糖尿病における最適の治療目標を提案し、それを達成するための治療方法を提案するとともに、さらにその検証を行っていく。 これらの方策は研究代表者のもと、研究協力者、大学院生を組織して推進していく。
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