本研究では、自己免疫性下垂体疾患患者の末梢血から特異的CTLのクローニングに成功し、特異的なTCR、抗原、およびHLAを決定した。特異的CTLを患者iPS細胞由来の下垂体と共培養することで、抗PIT-1下垂体炎の病態再現に成功した。この疾患特異的in vitro再構成モデルは、ヒトの自己免疫性疾患のモデルとして世界初の成果である。このモデルは、既存の研究では困難だった未踏領域を探索でき、これまで存在しなかったヒト細胞モデルを用いた病態解明を可能にした。さらに、この疾患モデルを使用することで、新しい分子経路を同定し、薬物治療による細胞傷害抑制のスクリーニングシステムを構築することにも成功した。
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