研究課題
ヒストン脱アセチル化酵素3(HDAC3)および甲状腺ホルモン受容体(TR)は、甲状腺ホルモン欠乏培養細胞において標的遺伝子のヒストンを脱アセチル化して転写を抑制するが、生体内での詳細な役割やゲノム三次元区画化への関与は不明である。本研究では、マウス小脳発達をモデルとして、甲状腺機能低下症の生体内におけるHDAC3の役割を解明することを目的とする。さらに、細胞形態を保ったままゲノム区画化を解析する方法を開発して、TR-HDAC3によるゲノム区画化制御を研究することも目的とする。本研究により、甲状腺機能低下症におけるHDAC3の役割が生体内で解明され、発達期を過ぎた小脳障害などホルモン補充無効例に対する治療への応用が期待されるとともに、細胞形態を保った新手法でTR-HDAC3によるゲノム区画化制御を明らかにできると考えられる。これまでに、マウス小脳発達をモデルとして、甲状腺機能低下症の生体内におけるHDAC3の役割の解明や変異TRトランスジェニックマウス小脳の解析を行い、研究成果を論文として発表した。甲状腺機能の解析に適した市販の培養細胞が存在しないことから、本年度は培養細胞樹立のためのマウスを海外から入手し、独自の培養細胞樹立に着手した。また、申請者が設備の整った群馬大学から新潟県立看護大学に赴任したことから、実験室の設備・環境を整え、動物実験を含めた遺伝子組換え実験を行える大学の制度を確立した。実験系研究については次の段階の準備が中心となったが、世界初となる甲状腺疾患の診療ガイドラインや、甲状腺に関する学会用語集などを刊行し、研究成果の社会還元に努めた。
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Advances in Medical Education and Practice
巻: Volume 14 ページ: 1435~1443
10.2147/AMEP.S415257
https://www.niigata-cn.ac.jp/information/2024-0409-1543-16.html