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2023 年度 実績報告書

1型糖尿病におけるマイオカインを介した臓器間ネットワークの解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K08590
研究機関生理学研究所

研究代表者

菊地 晶裕  生理学研究所, 生体機能調節研究領域, 特任助教 (90321752)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード1型糖尿病 / マイオカイン / IL-6 / 臓器間ネットワーク / シングルセル解析
研究実績の概要

1型糖尿病は内因性インスリンが不足することで発症するため、治療法はインスリンの補充となる。しかし、インスリン補充による血糖コントロールは必ずしも容易ではなく、また、長期のインスリン投与は高血圧や腎障害などの合併症を引き起こす場合もある。そのため、インスリンの使用量を減らし、かつ、安定した血糖コントロールが可能となる新規な治療法が求められている。代表者らは先にストレプトゾドシンを投与した1型糖尿病モデルマウス(STZ糖尿病マウス)の解析を行い、STZ糖尿病マウスの代謝異常はインスリンの枯渇だけではなく、IL-6などのマイオカイン(液性因子)の異常分泌にも起因していることを見出した。そこで、マイオカインの分泌異常を改善することができれば、臓器間ネットワークを介したインスリン非依存的な代謝調節メカニズムが修復し、その結果、血糖コントロールに必要なインスリン使用量を減少させることが可能であると仮説を立てた。
本年度は本研究ですでに確立した高血糖を呈するSTZ糖尿病マウスにインスリンを単独で投与、または、インスリンとIL-6中和抗体を併用して投与し、それらの2群の血糖値を比較した。その結果、単独投与群では血糖値の変化幅が大きく不安定であったが、併用投与群では変化幅が小さく、血糖値は安定していた。さらに、1型糖尿病患者においても血糖コントロールに必要な1日のインスリン使用量が多い患者ほどIL-6の血中濃度が高いことを示唆する解析結果も得られた。これらの結果は、ヒトにおいてもインスリンとIL-6中和抗体などを併用するとインスリン単独投与よりも血糖コントロールがより安定する可能性を示唆している。
また、本年度も視床下部ニューロンのシングル核RNA-seq解析を引き続き行なった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 視床下部室傍核CRHニューロンのシングル核RNA-seq解析2023

    • 著者名/発表者名
      菊地 晶裕、郷 康広、近藤 邦生、箕越 靖彦
    • 学会等名
      食欲・食嗜好を形成する感覚・内分泌・神経基盤研究会2023

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公開日: 2024-12-25  

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