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2023 年度 実施状況報告書

治療抵抗性乳癌に対するGD2を標的とした新規免疫療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K08593
研究機関三重大学

研究代表者

齋藤 佳菜子  三重大学, 医学部附属病院, 講師 (90447871)

研究分担者 藤原 弘  三重大学, 医学系研究科, 産学官連携講座教授 (20398291)
小塚 祐司  三重大学, 医学部附属病院, 講師 (50378311)
赤堀 泰  三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (80221711)
小川 朋子  三重大学, 医学部附属病院, 名誉教授 (90362334)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードGD2 / 乳癌 / 腫瘍浸潤リンパ球 / トリプルネガティブ
研究実績の概要

ガングリオシドGD2は細胞株を用いた研究において乳癌幹細胞の性質を有する腫瘍で高発現していることから、乳癌の治療抵抗性との関連が示唆されている。しかしながらヒト乳癌組織におけるGD2発現については小規模な報告しかなく、特に日本人集団での解析は無かった。本研究では2012年~2015年までに当院で手術を行ったトリプルネガティブ乳癌(TNBC)患者の手術検体を用いて、GD2発現を免疫染色によって評価し、GD2発現と予後との関係を解析した。その結果、GD2陽性TNBCはGD2陰性TNBCに比べて無再発生存率において有意に不良であった。また、有意差は認めなかったが、GD2陽性TNBCの方がGD2陰性TNBCよりOSが不良である傾向がみられた。興味深いことに、腫瘍浸潤リンパ球に着目したところ、GD2陽性かつ低TIL腫瘍はさらに予後不良であった。結論として、GD2陽性TNBCはGD2陰性TNBCに比べて無再発生存率において有意に予後不良であった。またGD2陽性かつ低TIL腫瘍はさらに予後不良であり、この結果は、我々のGD2特異的CAR-Tを標的とした治療開発の有用性を支持するものと考えられた。この研究成果は、2023年に論文報告した(Anticancer Res. 2023;43(9):4045-4053)。
一方、GD2陽性乳癌が予後不良である原因として癌幹細胞の性質を有することが示唆されるが、その報告は限られている。そこで癌幹細胞の代表的なCD44+CD24-などの表面マーカーとGD2発現についてGD2陽性細胞乳癌細胞株を用いて検証し、現在は臨床検体で検証中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

臨床検体を用いた研究は順調に進んでいるが、その中で病理診断の難しさを改めて認識している。動物モデルを用いた研究の取り組みが遅れている。

今後の研究の推進方策

GD2陽性乳癌の腫瘍微小環境、癌幹細胞としての性質を検証し、GD2陽性乳癌に対するCAR-T療法の開発につなげる。

次年度使用額が生じた理由

病理解析および動物実験が遅れているため、次年度でGD2陽性乳癌の微小環境および癌幹細胞との関連を検証する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Ganglioside GD2 Expression Is Associated With Unfavorable Prognosis in Early Triple-negative Breast Cancer2023

    • 著者名/発表者名
      HIGASHI CHIHIRO、SAITO KANAKO、KOZUKA YUJI、YUASA HIROTO、NAKAMURA KAHO、ISHITOBI MAKOTO、ISHIHARA MIKIYA、MIZUNO TOSHIRO、TAWARA ISAO、FUJIWARA HIROSHI、OGAWA TOMOKO
    • 雑誌名

      Anticancer Research

      巻: 43 ページ: 4045~4053

    • DOI

      10.21873/anticanres.16593

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Ganglioside GD2 expression is significantly associated with unfavorable prognosis in early triple-negative breast cancer2023

    • 著者名/発表者名
      齋藤佳菜子
    • 学会等名
      第27回日本がん免疫学会総会

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公開日: 2024-12-25  

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