研究課題/領域番号 |
21K08594
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
岩本 高行 川崎医科大学, 医学部, 講師 (40627238)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | レパトア解析 / 術前化学療法 |
研究実績の概要 |
本研究では末梢血単核球細胞からT細胞レパトア解析を目的としている。研究課題名「乳がん化学療法におけるT細胞レパトアの検討」として、岡山大学病院を主幹とする多施設共同研究(福山市民病院、広島市立広島市民病院)の研究体制で、研究計画書および同意説明文書を作成の上、当院倫理員会の承認を得た。その後、各施設でも各々倫理審査を受けていただき、承認を得た後、研究開始となった。本試験では2mlの増量採血が必要となるため、血液採取の手順書(1.PAXgene; RNA採血管に2mlの採血。2.採血管を静かに8から10回転倒混和。3.採血後-20℃で24時間凍結、-70から-80度で保存)を作成し、各施設との共有をおこなった。採血のポイントは、術前化学療法(アンスラサイクリンおよびタキサンレジメン)前、アンスラサイクリン投与後、手術時の3点とした。 また、令和3年度6月より、委託解析先のタカラバイオ(株)と解析手順、サンプルの受け渡し、秘密保持、解析価格や時期の交渉をおこなった。その結果、令和3年度は検体の収集と血液検体からのRNA抽出までにとどめることとした。 令和4年度は検体の回収ならびに解析を予定していたが、すべて予定どおり進捗している。具体的には23例分の血液検体の回収、および検体のレパトア解析が終了した。 令和5年度は臨床データと統合させて解析、論文化を進める予定であったが、解析方法で困難な点があり、時間を要している。現在、同コホートの腸内フローラデータと合わせて統合解析をおこなっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究は令和5年度内に終了予定であった。レパトア解析は終了できているが、臨床データと腸内フローラとの統合解析に時間を要してしまい、令和6年度に学会発表、論文化がずれ込んでしまった。令和6年4月現在で解析はすでに終了できており、令和6年の日本乳癌学会で報告予定である。また今年度内には英語論文化予定である。
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今後の研究の推進方策 |
プロトコールで規定された解析はすべて終了しており、令和6年度7月に開催される日本乳癌学会にむけて図表の固定を目指しているところである。平行して英語論文化も進めており、令和6年度内にはサブミットならびにアクセプト予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
レパトア解析、腸内フローラ、臨床データの統合解析に予想以上に時間を要してしまい、令和5年内に研究を終了させることができなかった。しかし、現在すべての解析が終了できており、令和6年7月の日本乳癌学会の発表にむけて結果をまとめている。今後英文論文化に伴う、英文校正費や論文の掲載費に研究費を使用させていただく予定である。さらにレビューワーから求められた場合やまとめる上で追加解析が必要となった場合には、追加研究のための消耗品に使用させていただく予定である。
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