研究課題/領域番号 |
21K08602
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
大西 康晴 自治医科大学, 医学部, 准教授 (60377257)
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研究分担者 |
佐久間 康成 自治医科大学, 医学部, 教授 (10296105)
金丸 理人 自治医科大学, 医学部, 助教 (10625544)
北山 丈二 自治医科大学, 医学部, 教授 (20251308)
眞田 幸弘 自治医科大学, 医学部, 准教授 (60406113)
大澤 英之 自治医科大学, 医学部, 准教授 (60458271)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 好中球細胞外トラップ / エクソソーム / 肺転移 / 腹膜播種 / 好中球 |
研究成果の概要 |
腹膜播種高転移株YTN16Pの培養上清からエクソソームを分離し、腹腔内滲出好中球に添加すると、親株YTN16由来のエクソソームと比べて好中球細胞外トラップ(NET)の産生が有意に上昇した。また、YTN16Pの腹膜播種結節内には、親株の播種巣と比べCit-H3陽性のNETsの密度が高く、CD8(+)T細胞は少ない傾向を認めた。 根治的大腸切除術を受けた患者の血液中低比重好中球LDNの数は手術直後に顕著に増加し、多量のNETを産生し、癌腫瘍細胞を効率的に捕獲した。また、その割合は患者予後と相関していた。LDNは術後の早期に循環血液中に誘導され、NETを介して癌の再発に関連すると考えられた。
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自由記述の分野 |
腫瘍外科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マウス胃癌細胞から腹膜播種好転移株を作成し、そのエクソソームが好中球細胞外トラップの産生を促進するという新たな事実を見出した。また、大腸癌患者の末梢血中の低比重好中球(LDN)が術直後に増加し、活発にNETを産生するとともに、その割合が大腸癌の術後再発を予測する新たなバイオマーカーとなりうること、特に、ステージ III の大腸癌患者において、補助化学療法はLDN 高値群の予後を有意に改善させたが、LDN低値群では予後に差を認めなかったことから、大腸癌術後の補助化学療法の適応に関する示唆を与えることができた点で臨床的意義がある。
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