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2021 年度 実施状況報告書

iPS細胞技術を応用した次世代中皮細胞療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K08611
研究機関国立研究開発法人国立国際医療研究センター

研究代表者

稲垣 冬樹  国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 外科医師 (70529015)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード中皮細胞 / iPS細胞 / 腹膜硬化症
研究実績の概要

腹膜は体腔や肝臓・胃・大腸・小腸などの内臓表面を覆っている組織であり、一層の中皮細胞とその下の疎な結合組織とで構成されている。中皮細胞はムコ多糖類を細胞表面に発現することで、臓器間や臓器・体腔間の摩擦を減らして、癒着を防ぐことが知られている。また近年、様々なサイトカインを分泌することで抗炎症・組織修復作用などを発揮することや胎生期型の肝中皮細胞が肝実質の前駆細胞である肝芽細胞の増殖促進因子を大量に産生して肝臓の発生を促進することなどが明らかとなってきた。
原発性肝がん・転移性肝がんに対する治療法として「繰り返し肝切除」は生存期間の延長や根治を期待しうる方法としてその有効性が広く認められている。しかしながら「繰り返し肝切除」をおこなう際の問題点として、術後肝不全リスクと術後癒着という2つの問題点が挙げられる。これらの問題点を解決することで患者予後の更なる改善につながることが期待される。申請者らは上記のような中皮細胞の多彩な機能に着目し、中皮前駆細胞の移植によってこれら2つの問題点が解決しうることをマウス肝切除モデルを用いて示した。さらにiPS細胞から中皮前駆細胞への分化誘導系を確立し、iPS細胞由来中皮前駆細胞の移植でも同様の効果が得られることを示している。
より機能的なヒトiPS細胞由来中皮前駆細胞を作成するためにヒト中皮細胞の特性を深く理解することが必要不可欠であるが、本年度は、ヒト臨床検体からの中皮細胞の分離培養法を確立した。また、中皮細胞移植の適応疾患拡大のために、マウス腹膜硬化症モデルの作成をおこなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ヒト臨床検体からの中皮細胞の分離培養法を確立するとともに、マウス腹膜硬化症モデルの作成をおこなった。

今後の研究の推進方策

引き続き、臨床検体を用いたヒト中皮細胞の特性解明及びiPS細胞からの中皮細胞分化誘導法の改良をおこなう。腹膜硬化症に対する中皮前駆細胞の移植をおこなって、その有用性の検討をおこなう。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Intraoperative indocyanine green fluorescence navigation facilitates complete removal of lymph node metastases from hepatocellular carcinoma.2021

    • 著者名/発表者名
      Inagaki F, Takemura N, Ito K, Mihara F, Kurokawa T, Kokudo N
    • 雑誌名

      Glob Health and Medicine

      巻: 3 ページ: 406-408

    • DOI

      10.35772/ghm.2020.01097.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [図書] iPSC Derived Progenitors; Chapter 4 - Induced pluripotent stem cells-derived mesothelial progenitors; implications in cell-based regenerative medicine2021

    • 著者名/発表者名
      Natsuko F. Inagaki and Fuyuki F. Inagaki (Edited by: Alexander Birbrair)
    • 総ページ数
      296; 91-110
    • 出版者
      Academic Press (elsevier)
    • ISBN
      978-0-323-85545-7

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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