研究課題/領域番号 |
21K08620
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
居村 暁 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 徳島大学専門研究員 (90380021)
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研究分担者 |
常山 幸一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (10293341)
池本 哲也 徳島大学, 病院, 教授 (20398019)
山田 眞一郎 徳島大学, 病院, 特任助教 (30579884)
齋藤 裕 徳島大学, 病院, 講師 (50548675)
森根 裕二 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (60398021)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 肝細胞癌 / 腫瘍微小環境 / 肝内転移 / 薬剤耐性 / 癌関連線維芽細胞 / 腫瘍関連マクロファージ |
研究実績の概要 |
2022年度までの研究で、分子標的治療薬であるソラフェニブ、レンバチニブを肝癌細胞(Huh7)に曝露することでそれぞれの耐性株を作成し、薬剤耐性を有する肝癌細胞は転写因子Nrf2が関わっていること、ミトコンドリア内のPINK1発現を亢進しmitophagyを引き起こすことを解明した。さらに癌細胞から分泌されるBAFFがCAFを活性化させIL-6/8を介して癌細胞の耐性化を引き起こすという、癌-微小環境interactionの機序を見出した。2023年度は、臨床検体を利用し、肝内胆管癌の切除検体を用いてCAFマーカーのFAP発現が上昇しており、多変量解析でFAP高発現が独立予後因子であるということ、さらに胆道癌の前癌病変である膵・胆管合流異常の組織ではCAF/TAM/胆管上皮のinteractionでinflammasome発現が亢進し、発癌に関与することという知見を得た。また、漢方薬である大建中湯(TU-100)がTLR4/NF-kB/STAT3を阻害することによりTAMのM2分極化を抑制することを解明した。以上より、本研究ではin vitroでの抗癌剤耐性機序と既存の薬剤を用いた抑制、さらに臨床検体を用いてCAFが悪性度上昇に関与することを確認した。現在は、腫瘍-微小環境のinteractionに関して、exosomeと内包されるmiRNAに着目している。薬剤耐性肝癌細胞株からのexosomeを抽出し、miRNA発現を通常の肝癌細胞株と比較することで、薬剤耐性のさらなるメカニズムを明らかにする予定としている。
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