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2022 年度 実施状況報告書

画像データ解析に基づく漏斗胸形態分類の構築と新規手術支援システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K08627
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

政井 恭兵  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70778290)

研究分担者 鈴木 嵩弘  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (50868122)
西田 梨紗  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (60896661)
朝倉 啓介  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (90383786)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード漏斗胸 / 画像データ解析 / 新規手術支援システム / バイオメカニクス / 側弯 / 慢性疼痛
研究実績の概要

漏斗胸手術における手術支援システムの構築を研究テーマとしており、漏斗胸治療における胸郭形態の特徴やそれに伴って起きる問題点、改善策などについて研究をすすめ成果を全国学会や地方会で報告した。以下にその研究報告の概要を述べる。
2022年5月に開催された第39回日本呼吸器外科学会学術集会において『胸郭形態に着目した自然気胸再発メカニズムの検討』、『他院術後再発漏斗胸に対する再手術例の検討』、『女性漏斗胸手術患者の臨床的特徴と手術成績に関する検討』の3演題を発表した。この中で漏斗胸のような胸郭変形疾患が気胸の発生にも関与する可能性や、女性漏斗胸患者は非対称陥凹が強い症例が多い特徴があること、また再発症例に対する有効な手術法の検討などを報告した。
2022年10月に開催された第75回日本胸部外科学会定期学術集会では『成人漏斗胸手術における臨床的特徴と問題点について』を報告し、成人漏斗胸は骨硬化が強く骨が固いため手術効果が小児患者に比べ劣る可能性と胸郭挙上に伴う慢性疼痛が遷延する可能性についてまとめ成人漏斗胸患者は何らかの疼痛管理が必要であることがわかった。
2022年11月は第21回 Nuss法漏斗胸手術手技研究会が鎌倉で開催され、『漏斗胸合併高度側弯症に対する治療戦略』、 『Nuss 法における Pectus bar 挿入本数と漏斗胸治療成績の関係性について』の報告と、同会内でのパネルディスカッションで『標準的なNuss法の手術術式を考える』を総合討議した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現在新規手術法に関する論文投稿を進めている。昨年度までに投稿を準備していたが、臨床業務などの影響で若干の遅れがでていると考える。またCT画像データを基に手術方法の選択を行っているが十分な解析ができていないため手術システム構築までに至っていない。
また画像解析を基にした手術システムの開発研究を行う中で、付随する臨床研究検討がでてきたためそちらも並行して研究を進めていることもあり、研究進捗に若干の遅れがでていると考える。

今後の研究の推進方策

CT画像から3D構築した漏斗胸胸郭形態の解析を行い、いくつかの形態特徴に応じた手術方法の検討を今年度も引き続き進める予定である。
具体的には、非対称陥凹に対する骨切りの有効性と骨切り部位の検討、高齢者(成人)漏斗胸に対する骨硬化の検討とそれに伴う術式選択の検討が今後の検討内容である。これらを明らかにするため現在、ザイオソフトを用いた肋軟骨硬化の定量分析を進めており治療有効性の検討を行っている(2023年度全国学会で報告予定)。
同時に治療に伴う術後疼痛の検討を今後検討していくことで更なる手術システムの構築が可能と考える。慢性痛に関しては2022年度に後方視研究を行い成人と小児においては小児群は急性期疼痛が強いが慢性期疼痛への移行が少ないこと、一方で成人は慢性期への移行が多い傾向にあることがわかった(2022年10月の胸部外科総会で報告した)。

次年度使用額が生じた理由

バイオメカニクスに関する画像解析ソフトを購入予定であったが、解析の必要がなくなったため(他のソフトで代用可能となった)、次年度に繰り越しその他の画像解析ソフトの購入を検討している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (6件)

  • [学会発表] 成人漏斗胸手術における臨床的特徴と問題点について2022

    • 著者名/発表者名
      政井恭兵
    • 学会等名
      日本胸部外科学会定期学術集会75回
  • [学会発表] 女性漏斗胸手術患者の臨床的特徴と手術成績に関する検討2022

    • 著者名/発表者名
      鈴木嵩弘
    • 学会等名
      日本呼吸器外科学会学術集会
  • [学会発表] 胸郭形態に着目した自然気胸再発メカニズムの検討2022

    • 著者名/発表者名
      政井恭兵
    • 学会等名
      日本呼吸器外科学会学術集会
  • [学会発表] 他院術後再発漏斗胸に対する再手術の検討2022

    • 著者名/発表者名
      大久保祐, 政井 恭兵, 加勢田 馨, 朝倉 啓介, 菱田 智之, 淺村 尚生
    • 学会等名
      39回日本呼吸器外科学会学術集会
  • [学会発表] 側弯症治療後に呼吸苦を認めた漏斗胸に対してCombined Ravitch and Nuss Procedureを施行し症状改善が得られた1例2022

    • 著者名/発表者名
      岡 直幸, 政井 恭兵, 井本 智博, 矢野 海斗, 西田 梨紗, 鈴木 嵩弘, 前田 智早, 大久保 祐, 加勢田 馨, 朝倉 啓介, 菱田 智之, 淺村 尚生
    • 学会等名
      日本胸部外科学会関東甲信越地方会188回
  • [学会発表] 漏斗胸に対してCombined Ravitch and Nuss Procedureを施行後、側彎の進行を認めたLoeys-Dietz症候群の一例2022

    • 著者名/発表者名
      杉野 功祐, 政井 恭兵, 大城 雄基, 櫻田 明久, 青木 輝, 石黒 勇輝, 井本 智博, 岡 直幸, 大久保 祐, 加勢田 馨, 朝倉 啓介, 菱田 智之, 淺村 尚生
    • 学会等名
      日本胸部外科学会関東甲信越地方会

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公開日: 2023-12-25  

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