研究課題/領域番号 |
21K08637
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐々木 英之 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (40438461)
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研究分担者 |
工藤 博典 東北大学, 医学系研究科, 助教 (00723032)
大久保 龍二 東北大学, 大学病院, 助教 (00791865)
橋本 昌俊 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (20897954)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 胆道閉鎖症 / 予後 / necroptosis |
研究実績の概要 |
胆道閉鎖症(以下BA)は新生児期から乳児期早期に閉塞性黄疸を呈する代表的疾患であり、 その原因は未だ不明の難治性疾患である。 2022年度も前年度から引きつづいて新型コロナ感染症拡大の影響を受けて、当初の予定通りに研究を行うことができなかった。 当院でのBAの初回手術時肝生検59例, BA術後肝移植となった摘出肝14例,先天性胆道拡張症(CBD)の手術時肝生検30例の計103例を対象としたnecroptosis関連因子と臨床因子との関連を行ったところ、BA, CBDともに肝内胆管上皮細胞でnecroptosisが認められたが,新生児,乳児の正常肝の肝内胆管上皮細胞では認められなかった.Necroptosis関連因子であるTLR3, RIP1, MLKLの発現もCBD群よりもBA群で有意に高い値を示した. BA, CBDともに肝内胆管上皮細胞でnecroptosisが認められたが,新生児,乳児の正常肝の肝内胆管上皮細胞では認められなかった. 以上よりnecroptosisがBAの病態に関与している事が示唆された. また臨床的な検討として、胆道閉鎖症における胆汁分泌活性の指標としてのYGTPの意義を検討したところ、γGTPは,術後早期にはD-Bilと負の相関を示すこと,とくに胆汁排泄が増加する時期に上昇する傾向がみられることより,本症の術前・術後早期においては,胆汁うっ滞の指標としてより胆汁分泌活性の指標としての意義が大きい可能性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度のコロナ感染症拡大の影響による、試薬購入や、所属機関における対応業務などの増加により研究遂行に困難が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年5月より新型コロナ感染症の法律上の取り扱いが変わることで、所属機関における対応業務が軽減されることより、よりエフォートを注力できると考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度はコロナ感染症拡大の影響で、予定していた研究の遂行に遅れが生じた。次年度は、今年度に予定していた研究を併せて実施する予定である。 具体的には細胞死のパターン解析をウェスタンブロット法を用いて行うことや細胞死パターンと臨床状況との比較検討を行う予定である。
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