研究課題/領域番号 |
21K08639
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 九州大学 (2023) 新潟大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
高橋 良彰 九州大学, 大学病院, 助教 (50621710)
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研究分担者 |
木下 義晶 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80345529)
小林 隆 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40464010)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 腸管不全 / IFALD / 腸内細菌叢 |
研究成果の概要 |
腸管不全患者は9例であり、6例が短腸症候群で3例がヒルシュスプルング病類縁疾患であった。点滴離脱は半数以上が困難であった。腸管不全関連肝機能障害(IFALD)を発症した症例は6例(66.7%)と高率であったが、肝不全までは進行せず生存していた。 IFALDを発症した患児の腸内細菌を調査すると、病原細菌や悪玉菌と言われるグラム陰性菌のProteobacteria門が半数以上を占めていた。腸管延長術やGLP2アナログ製剤を導入したところ、IFALDは改善し、腸内細菌叢もProteobacteria門は低下し、Firmicutes門優位に変化し、IFALD発症に腸内細菌叢が影響していたと思われた。
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自由記述の分野 |
肝移植、小腸移植、再生医療
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
短腸症候群は、長期間中心静脈栄養を要することが多く、腸管不全関連肝障害(IFALD)を高率に発症し、致命的となる。そのため、中心静脈栄養からの離脱が重要だが、離脱は困難なことが多く、様々な因子が関係している。そこで、腸内細菌に着目し、調査したところ、IFALDを発症している患児の腸内細菌叢は乱れたdysbiosisの状況であった。腸管延長術や新規治療薬のGLP2アナログ製剤を導入するとIFALDは改善し、その状況の腸内細菌叢は改善を示していた。つまり、IFALD発症には腸内細菌叢の異常が影響している可能性が強く示唆され、腸内細菌叢を是正することがIFALD発症抑制の鍵になると考えられた。
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