研究課題/領域番号 |
21K08656
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
高橋 正貴 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 細胞医療研究部, リサーチアソシエイト (10626766)
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研究分担者 |
守本 祐司 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 生理学, 教授 (10449069)
藤野 明浩 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (50306726)
梅澤 明弘 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 再生医療センター, 部長 (70213486)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 光温熱療法 / ICG / リンパ管奇形 |
研究成果の概要 |
ヒトリンパ管腫由来リンパ管内皮細胞(LEC)を用い、ICG の取り込みを確認したのちに 808nm の近赤外光を照射した。ICG はLECに取り込まれ、そこへ近赤外光を照射した場合のみ形態学的に細胞死を認めた。続いて実臨床のリンパ管腫患者においてICGを病変内部へ局所投与した際のICGの動態を調べた。全ての症例でICGは病変全体へ拡散して病変内部にとどまり、特にリンパ管内皮細胞を中心に取り込まれていた。最後にリンパ管腫モデルマウスを用いた実験で、リンパ管腫嚢胞内にICGを投与した翌日に近赤外光を照射すると、コントロールに比べてICG投与群で有意に嚢胞サイズを小さくできた。
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自由記述の分野 |
光温熱療法
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現行では良い治療法がない難治性のリンパ管奇形は、良性疾患ではあるが、生涯に渡って機能的・整容的・感染や出血症状などの様々な問題を引き起こすことから新規治療法の開発が望まれる。従来とは全く異なる物理的な温熱治療を用いて根治へ導く方法である光温熱治療を試みた。その際に、光温熱作用の増感剤となるICGは、リンパ管奇形特有のリンパ動態を利用することでドラッグデリバリーができる。また集積した病変部へ近赤外光を照射することで病変特異的に治療が可能となる。これらの可能性をモデルマウスを用いて示すことができた。従来とは異なるタイプの全く新しい新規治療法の可能性を探っていくことが可能となった。
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