• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実績報告書

インドシアニングリーン修飾リポソームを用いた小児肝がん新規治療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 21K08660
研究機関千葉大学

研究代表者

小松 秀吾  千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (60436417)

研究分担者 菱木 知郎  千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00375776)
菅波 晃子  千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (10527922)
田村 裕  千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (50263174)
照井 慶太  千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (70375773)
中田 光政  千葉県がんセンター(研究所), その他部局等, 主任医長 (90375775)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードインドシアニングリーン / 光線力学的治療
研究実績の概要

我々はインドシアニングリーン(ICG)の誘導体を組み込んだリポソームであるICG結合型リポソーム(LP-iDOPE)を設計開発し、これが腫瘍に特異的に集積し、近赤外線照射によって発熱作用と活性酸素を産生することを示してきた。本研究では、肝がんにおけるLP-iDOPEを用いた光線力学的治療(Photodynamic Therapy: PDT)による抗腫瘍効果の検討と、LP-iDOPEに抗がん剤を内包してナノキャリアとして用いる治療実験を行った。ヒト肝腫瘍由来細胞株(HuH6、HepG2)の細胞培養液中にLP-iDOPEを添加し、20時間後に近赤外線を照射した後に、MTT assayにて経時的に生存細胞数を測定したところ、生存細胞数の有意な減少を認めた。また、Hep53.4細胞をマウスの皮下に投与し、腫瘍体積が50mm3を超えたところでLP-iDOPE、およびLP-iDOPE に低用量のシスプラチンを内包したLP-iDOPE-CDDPを腹腔内に投与した。その後皮下腫瘍部位に近赤外線を照射し経時的に腫瘍体積を測定したところ、著明な腫瘍増殖抑制効果が認められた。さらに低用量のシスプラチンを内包したLP-iDOPE-CDDPを投与したところ、LP-iDOPE投与群よりもさらに強い腫瘍増殖抑制効果が認められた。一方でLP-iDOPEと低用量CDDPを混合して投与した群での腫瘍増殖抑制効果は、LP-iDOPE単独投与群と著変がなく、LP-iDOPEにCDDPを内包することで低用量であっても効果的な腫瘍増殖抑制効果が得られることが示唆された。以上の結果から、肝腫瘍におけるLP-iDOPEを用いたPDTの有効性が確認された。LP-iDOPEにCDDPを内包することで、低用量の抗がん剤による最大効果・最小副作用の実現が達成され、光免疫治療の分野に新たな道を拓くことが期待された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 肝がんにおけるICG結合型リポソームを用いた光線力学的治療による抗腫瘍効果の検討2024

    • 著者名/発表者名
      小松秀吾、田村 裕、菅波晃子、照井慶太、武之内史子、川口雄之亮、西村雄宏、瀧口翔太、菱木知郎
    • 学会等名
      第61回日本小児外科学会学術集会
  • [学会発表] マウス肝腫瘍におけるインドシアニングリーン 修飾リポソームを用いたphotodynamic therapyの有効性2023

    • 著者名/発表者名
      小松秀吾、田村 裕、菅波晃子、照井慶太、武之内史子、川口雄之亮、西村雄宏、瀧口翔太、菱木知郎
    • 学会等名
      第65回日本小児血液・がん学会学術集会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi