研究課題/領域番号 |
21K08663
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
栗山 直久 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (80525329)
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研究分担者 |
前田 光貴 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (00868812)
新貝 達 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (40860672)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 虚血再灌流障害 / FXa阻害剤 / トロンビン / エドキサバン |
研究実績の概要 |
肝虚血再灌流障害においては、血管内皮細胞障害による組織因子(tissue factor: TF)発現から始まり, 凝固第Xa因子 (FXa) を介して, Thrombin活性に至る。TF-FXa-Thrombin signaling cascadeが重要な役割を果たしている。よってマウス肝虚血再灌流障害モデルを用い実験を行い, TF-FXa-Thrombin signaling cascadeの制御による細胞保護効果について研究を行っている。 In vivo実験: 60分間IRIモデルを用い、C57/BL6マウスにFXa阻害剤エドキサバンとコントロール(生食)を経口投与した。再灌流後4時間に肝臓および血液を採取した。エドキサバンを投与することでフィブリンの生成は有意に抑制された。エドキサバンは、コントロールと比較して肝障害及び組織学的損傷が有意に少なかった。エドキサバン投与群では、Ly-6G およびMAC-1 陽性細胞の浸潤が有意に減少し、PCRによりIL-6 およびTNF-α がコントロール群より著しく発現低下していました。IRI後のPAR-2発生は有意に増加したが、エドキサバン投与により肝臓組織におけるPAR-2、ERK 1/2発現が有意に抑制されていた。 In vitro試験: ヒト肝類洞内皮細胞(SEC)の低酸素-再酸素化(H/R)モデルは、アネロパックジャーシステムを用いて以下のように確立した;低酸素条件(< 0.1% O2)90分、その後再酸素化4時間。H/R後、LDH細胞毒性およびPAR-2発現は有意に増加した。しかし、エドキサバンは、H/Rによって誘導されたLDH細胞毒性を有意に改善し、ERK 1/2の生成を抑制した。よって第Xa因子阻害薬であるエドキサバンは、微小血栓症の予防とFXa-PAR-2による炎症の抑制により、肝IRIを改善した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
肝虚血再灌流障害における直接Thrombin阻害、FXa阻害の細胞保護効果とメカニズムについての実験はほぼ終了し、順調に研究は進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
肝虚血再灌流障害における直接Thrombin阻害、FXa阻害の細胞保護効果とメカニズムについての実験はほぼ終了し、次の課題である組織因子阻害の実験を準備/開始している。
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次年度使用額が生じた理由 |
使用予定金額が少なかったため、翌年度に使用予定。
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