今後の研究の推進方策 |
MHC DKO NSGマウスに可溶性ヒトCD40リガンドを投与下にレシピエント末梢血を静注し、Day1にドナーPBMCをヒト抗PD-L1抗体と共に脾臓内投与し、以降ドナーPBMC抗原暴露を複数回行い、抗ドナー特異的HLA抗体産生誘導を試みる。目的とする抗体産生が得られない場合は、抗体産生細胞分化に必要なサイトカインを添加する。遺伝子相同性検索プログラムBLASTでデータベース検索したマウスサイトカインのうちヒトへ機能性を示さず遺伝子相同性が低い、ヒト抗体産生促進因子(IL-4, IL-6, IL-15, IL-21, TACI(transmembrane activator and cyclophilin ligand interactor)-Ig)を漸次in vivo投与しドナー特異的HLA抗体産生を試みる。抗体産生形質細胞分化に必要なIL-6とIL-21は特に重要であると考えている。さらにはドナー末梢血上のHLA抗原がレシピエント細胞に十分に認識されて いない可能性を考え、ドナー末梢血をConcanavalin Aで刺激しHLA抗原発現を増強させた状態でのin vivo抗原暴露投与を考慮する。こうして目的のドナー特異的HLA抗体産生ヒト化マウスが安定して作製できれば、ヒト化マウス中の各組織(骨髄・脾臓・腹腔内・リンパ節)からB細胞フェノタイプ(記憶B細胞・形質細胞・制御性B細胞)をFlowcytometryやFACS Aria セルソーターで解析し抗体産生細胞を特定し、合成HLAペンタマーを用いたELISPOT法で抗原特異的HLA抗体産生B細胞の同定および機能解析を行う
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